スーツは多くのシーンで着用する機会のある装いですが、マナーやルールも存在するため、着用シーンやコーディネートを誤るとイメージダウンにつながる可能性もあります。
スーツの印象を大きく左右する色は、まずスーツ選びの中でポイントになります。
この記事ではスーツの色が与える印象や、どのシーンでの着こなしが適切かなどをご紹介します。スーツの色別で合わせる小物選びについても紹介します。
スーツの第一印象を左右するのは「色」です。そのため、スーツの色選びが重要となります。
仕事で毎日スーツを着用する以外に、友人の結婚式やレストランディナーなどフォーマルなシーンでの着用や、合わせる小物をアレンジしたりオーバーサイズで着こなしたりなど、カジュアルに楽しむこともできる万能な装いです。
スーツはビジネス、フォーマル、カジュアルといったそれぞれのシーンに合わせて選ぶ必要があります。
ビジネスシーンやフォーマルシーンではマナーやルールもあるため、適当に選んだことによってイメージダウンにつながり、相手への心象を悪くする恐れもあります。反対にカジュアルに着こなしたくてもビジネスやフォーマル感が強くなり、思いどおりのイメージにならないこともあります。
スーツの色はネイビー系・グレー系・ブラック系・ブラウン系・その他に分けることができます。それぞれスーツの色の特性を理解できれば、シーンに合わせて色を選びやすくなります。
それぞれのスーツの色が与える印象や特性を解説し、どのようなシーンで着用するべきかご紹介します。
ネイビーカラーはスーツの定番カラーです。ネイビーカラーでも濃淡によって印象は変化します。ダークネイビーはネイビーカラーの中でも人気を誇り、1着は持っておきたい色味です。
ネイビーは堅実さや真面目さといった印象を与えられ、ダークネイビーのスーツはさらに深みのある落ち着いた色味であり、より洗練されたイメージに近づきます。
ビジネスシーンではもちろん、フォーマルでもカジュアルでも幅広いシーンでの着用が可能です。
ライトネイビーはネイビーの持つ知的さも感じられ、爽やかで好印象を与える色味です。明暗のバランスもよく、ダークネイビーと同じくビジネス・フォーマル・カジュアルといったあらゆるシーンで着こなせるのが特徴です。
ブルーグレーはネイビーの彩度を下げてくすませた色で、ネイビー系の中でも人気があります。ネイビーが持つ堅実さや知的さにグレーの落ち着いて軽やかな印象がプラスされ、バランスのとれた色です。ビジネスシーンでも問題なく着こなせるカラーです。
チャコールグレーはネイビーについで定番の色です。グレーの中でも最もクラシックで落ち着いた印象を与えられます。落ち着いた色味で相手にリラックスしてもらえるため、ビジネスシーンでも問題なく、フォーマル向きのカラーです。
ライトグレーはグレー系の中でも軽やかな印象になります。清涼感と明るいイメージがあり、春夏の季節にも向いています。
一方、真面目で重厚さといったイメージはネイビーやチャコールグレーの方が与えられるため、カジュアルなシーンに合わせやすいでしょう。
ブラウンはネイビー系やグレー系の色に比べると着用する方は少ないかもしれませんが、近年ではトレンドとなっているため、ぜひチャレンジしていただきたい色味です。
落ち着いた印象に貫禄のある印象がプラスされます。暖かみのある色でもあるため、秋冬シーンで着用して季節感を出すことも可能です。
ダークブラウンであればビジネスシーンでも着用できます。
ライトブラウンはブラウンの持つ落ち着いた印象をはっきりと感じることができます。
スーツのブラウンカラーはトレンドになっているため、ぜひ取り入れていただきたいです。ビジネスシーンでは役職のある方に風格を感じられるカラーとしておすすめです。
サンドブラウンはその名のとおり砂のような色です。ブラウン系の中でもよりくすんだブラウンで、グレーよりも赤みや黄みが入っています。
ブラウンが持つ落ち着いた印象が少し和らぎ、優しさや安心感がある印象になります。
カジュアルシーンで上手に着こなせば、オシャレのレベルが上がるでしょう。
ベージュにはしなやかで柔和なイメージがあり、優しい印象を表現してくれます。ネイビーやグレーがスーツの定番とされてきたため、ベージュカラーにはあまり馴染みがないかもしれませんが、近年ではスーツのカジュアル化が進んでいます。
ビジネスシーンやフォーマルな場では避け、オフィスカジュアルが推奨されている職場や、結婚式の二次会など華やかなシーンでの着用がおすすめです。
ブラックはフォーマル度が高い一方、喪服やリクルートスーツのように見える可能性もあるため、着こなしには注意が必要なカラーでもあります。
ビジネスシーンで取り入れる場合、生地や織り柄にこだわったり柄を取り入れたりして、変化を持たせると良いでしょう。
スーツの色味に合わせてネクタイやワイシャツ、シューズのおすすめの色をトータルコーディネートで紹介します。
ダークネイビー系のスーツは同じくダークトーンのネクタイがまとまりやすいです。また、同じネイビーや暖色カラーを合わせると上品な印象になります。ワイシャツは薄めのブルーやグレーといった淡い寒色カラーがおすすめです。シューズはブラック、ブラウンどちらでも合わせることができます。
ライトネイビーのスーツは同じネイビー系のネクタイが合わせやすく、特に鮮やかなネイビーがおすすめです。ワイシャツは白やブルーが合い、薄いピンクもコーディネートしやすいです。ライトネイビーにブラウンのシューズを合わせればオシャレな印象になります。
チャコールグレーのスーツはダークトーンのネクタイがおすすめです。同じ暖色系のブラウンやボルドーがよく合います。ワイシャツは白を選ぶとチャコールグレーが映えます。シューズは黒を合わせると相性が良いです。
ライトグレー系はどのようなカラーのネクタイも合わせやすいです。ワイシャツはブルーを選ぶと爽やかさをプラスしてくれます。シューズはブラック・ブラウンどちらも合いますが、明るいブラウンのシューズを合わせると、より爽やかな印象になります。
ブラウン系のスーツはどのようなネクタイカラーにも合いますが、同じブラウン系のネクタイを選ぶとトレンド感を強調できます。ワイシャツはブルー系が合わせやすく、シューズはスーツの同じ色味のブラウン系にするとまとまりやすいです。
ベージュ系のスーツはネクタイやシューズなど小物の色味を同系色にまとめたコーディネートがおすすめです。ワイシャツはが淡いカラーであれば、白、ブルー、ピンク、イエローなど幅広くコーディネートが楽しめます。
ブラックスーツは無難な色でありながら、実は着こなしが難しい色でもあります。そのため、差し色となるネクタイがポイントになります。ワイシャツは明るめのブルーが合います。シューズはブラックか、カジュアルに見せたい場合はブラウンを合わせます。
スーツの色に加え、柄によっても印象は異なります。代表的なスーツの柄とおすすめの着用シーンも合わせてご紹介します。
ストライプはスーツの柄の中でも王道です。ストライプ柄はビジネスからフォーマル、カジュアルまで汎用性が高いため、無地の次に取り入れたい柄です。
ラインの幅や色を抑えたストライプ柄はビジネスシーンでも問題なく着用でき、ストライプのライン幅が広く、色がはっきりしているものはカジュアルになります。
ウィンドペンとは細いラインを格子状に入れた大きな四角形柄のデザインです。イギリスの家の窓の格子(windowpane)から由来しています。
ウィンドペン柄のスーツはチェック柄の中でもクラシカルな印象を与えてくれるため、カジュアルになりすぎません。ラインのカラーが落ちついた色であればビジネスシーンでも着用でき、他のスーツと差別化できます。
シャドーチェックは生地の柄ではなく、織り柄で表現されるチェックです。一見すると無地のようにも見えますが、光の入り方によってチェック柄が浮き上がります。シャドーチェックのスーツは派手さがないため、ビジネスシーンにもおすすめです。
グレンチェックは細いラインによってできた小さなチェックと千鳥格子が組み合わさったデザインです。知的で上品さを演出したイギリスの伝統的な柄で、クラシカルな印象を与えます。メリハリのある印象もあるため個性も強く出ます。
ビジネスシーンではグレンチェックの色味を抑えたものを選ぶか、カジュアルシーンでの着用がおすすめです。
スーツはネイビーやグレーなどの定番カラーから、最近トレンドのブラウン系などバリエーションがさまざまです。いつも同じ着こなしになってしまうという方もシーンに合わせてさまざまなカラーバリエーションのスーツを取り入れてみてはいかがでしょうか。この記事を参考にして、コーディネートの幅を広げてみましょう。