ネイビースーツは、コーディネートによってベーシックスタイルからおしゃれ感の演出まで、幅広い着こなしが可能です。
スタイルのバリエーションを増やしシーン別にアレンジできるよう、ネイビースーツの選び方やコーディネート方法についてご紹介します。
ネイビースーツは今や定番となっていますが、ルーツは18〜19世紀頃の英国海軍が着用していた軍服です。将校らが着用していた軍服のカラーがネイビーでした。
当時の英国海軍は7つの海を制し、その強さと快進撃から周囲の国々からも注目されるようになり、他国の海軍も軍服のカラーにネイビーを採用するようになったのです。そのため、軍服や制服などのカラーイメージはネイビーが定着したという背景があります。
ネイビー(navy)は海軍を表す単語であり、海軍の青(ネイビーブルー)は日本でも色の名前として使われるようになりました。
制服をイメージさせるカラーとなったネイビーは重厚感もあり落ち着いたカラーです。堅実さや真面目さといったイメージも与えられるため、フォーマルからビジネスまであらゆるシーンでの着こなしができ、季節感も問いません。スーツの王道といえるでしょう。
ネイビースーツのカラートーンや生地の柄、素材などの選び方についてご紹介します。
同じネイビーでもトーンによって印象は異なります。おすすめの着用シーンもご紹介します。
ダークネイビーは、より落ち着いた印象や大人のイメージを感じさせます。フォーマルやビジネスシーンで安心して着こなせるカラーです。
ライトネイビーは、より爽やかで若々しさを感じさせます。ライトネイビーの中でもビジネスシーンではくすんだ色味がおすすめです。青や紫のカラーが鮮明な色味であれば個性が出る印象になります。カジュアルやプライベートでの着こなしに活躍してくれそうです。
ネイビースーツの生地の柄は着用するシーンを左右します。
無地のネイビースーツは1着持っておきたい必須アイテムです。シンプルな着こなしから合わせるアイテムによって、ビジネスからフォーマルまで幅広く活躍してくれます。
織柄は糸の織り方を変えて模様を表現した生地です。無地のように見えますが、光の加減や距離感によって見え方が変化します。糸の立体感や手触りなどを楽しめ、シンプルながらオリジナル感を味わえます。フォーマルシーンでの着用もおすすめで、そのほかのシーンでも万能に着まわせます。
ネイビースーツのストライプ柄も人気です。ストライプのラインの入り方で、印象が異なります。幅の狭いものは無地に近くシーンを選びませんが、幅が広いものや線がくっきりとあるタイプはカジュアル感が強くなります。
1日中着用するスーツは見た目だけでなく機能性も重視したいものです。オールストレッチ素材のウルトラムーブタイプのスーツはしゃがんだり肘を曲げたりするのにもノンストレスです。また洗濯機で洗えるウルトラウォッシュタイプはドラム式乾燥機で洗え、ノーアイロンで着用できます。動きやすさやクリーニング不要といった点にも注目しましょう。
スーツ生地の素材には、ウール(羊毛)・シルク(絹)・コットン(綿)・カシミヤ(カシミヤヤギの毛)・ポリエステル(化学繊維)など複数あります。
ウール(羊毛)はスーツ生地の基本といわれ、カシミヤ生地は高級感のある肌ざわりが特徴です。
シルクはラグジュアリーで艶がありさらりと着用でき、コットンはカジュアル感の強い印象、どちらも夏向きの素材です。
ウール素材の中でもニュージーランド産のウールは肌ざわりが良く、冬は暖かく夏は涼しい高品質な素材でおすすめの生地です。
スーツはシングルスーツ・ダブルスーツのボタンの違いや、ジャケットとスラックスのツーピースにベストを加えたスリーピースなどのタイプがあります。
シングルスーツはフロントボタンが1列に並んだもので、店頭などで販売されているスーツの多くはシングルスーツです。着用のシーンを選ばず万能です。
スリーピーススーツはジャケットとパンツにベストを加えた3点セットになっています。格式を感じさせるスタイルであるため、結婚式などフォーマルなシーンでの着用にもおすすめです。
ダブルスーツはフロントボタンが2列に並んだものです。元々はスーツのベーシックスタイルだったため、クラシックで重厚感のある印象を与えます。フォーマルなシーンでも問題なく、色味や柄、合わせるアイテムによってビジネスシーンでもきっちりとした印象となります。柄物や明るめのカラーの場合、デニムやチノパンを合わせるとカジュアルに着こなせます。
ネイビースーツは小物のコーディネートで着回せるシーンを増やしましょう。
ネクタイは全体イメージを左右する大切なアイテムで、無地・ストライプ・ドット柄が定番です。
無地のネクタイは柄物のネイビースーツに合わせやすいです。同じネイビーカラーでワントーンコーデ、赤や茶などの暖色カラーで季節感を出せるとこなれ感を演出できます。
ストライプやドット柄はビジネスでもフォーマルでも合わせられます。スーツの柄と同じく、ストライプのライン幅やドットの柄が大きいとカジュアルな印象になります。
シャツのカラーや柄もポイントです。ネイビースーツに白いシャツの組み合わせは定番でシーンを問わず、ブルーは清潔な印象を与えます。
シャツの柄は薄めのストライプなど、シンプルなものがよいでしょう。
ネイビースーツに合わせるシューズは黒や茶色が定番です。黒であれば落ち着いた雰囲気で、茶色のシューズの組み合わせもおしゃれです。ベルトやスーツのボタンとシューズのカラーを合わせるとまとまりやすくなります。
また、最近ではビジネススタイルの多様化に伴い、スニーカーを合わせるカジュアルコーデも人気です。
ネイビースーツのビジネス・フォーマル・カジュアルそれぞれのコーディネート術をご紹介します。
ビジネスシーンでのネイビースーツにはダークネイビーのスーツに白いシャツの組み合わせが鉄板です。スーツの柄は無地や落ち着いたストライプ柄がおすすめです。
ネクタイはネイビーカラーを合わせてワントーンコーデを演出するか、赤系のカラーでもまとまります。ビジネスシーンに問題ないベーシックな着こなしになるでしょう。
ホテルや高級レストランなどフォーマルなシーンでは高級感のある柄や光沢のある素材のネイビースーツがおすすめです。ネクタイはストライプ柄を合わせるとビジネスシックな印象となるため、アクセントとなるようなカラーや柄物を合わせるとエレガントな印象になります。
カジュアルシーンではライトなネイビースーツがおすすめです。色味が強いネイビースーツや、柄のはっきりしたネクタイやシャツなどを組み合わせて個性のあるコーディネートを楽しみましょう。ビジネスシーンやフォーマルシーン向きのネイビースーツもスニーカーを着用するなど合わせるアイテムで一気にカジュアルになります。
ネイビースーツはオールシーズン問題なく着回せ、ネクタイのカラーなどで季節感を出すことも可能です。汎用性が高いため、コーディネート術を活かせればおしゃれの幅が広がり、さまざまなシーンで活躍してくれます。