【シーン別】スーツのベストの選び方を紹介!着こなすポイントも

23.09.27

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【シーン別】スーツのベストの選び方を紹介!着こなすポイントも

スーツのベストには、いろいろなタイプがあります。ベストの着用するシーンを選びながらうまく着こなせば、得られるメリットもたくさんあります。
この記事では、スーツのベストの種類やどんなときに着用するのか、ベストを着用する際の注意点、選び方まで詳しく解説いたします。ぜひ、スーツのベストを選ぶ際の参考にしてみてください。

1.スーツのベストとは?

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本来、スーツのベストはジャケットと、パンツとベストがセットになったスリーピーススーツのひとつです。シャツの上に着用するのをベストと呼びます。
ベストは17世紀のイギリスで着用が始まったといわれています。1666年に当時の国王チャールズ2世の「衣服改革宣言」(贅沢でわがままだった貴族を引き締めることが目的)により、ベストがセットになったスリーピースが、現在のイギリスの伝統的なスタイルとして受け継がれています。
当時のベストは袖が付いているものが主流で、ジャケットの袖からベストの袖が出ていたといわれています。時代は流れ、ジャケットがスリム化され、袖なしのベストが主流になっていきました。国内にベストの文化が入ってきたのは、幕末~明治時代頃といわれています。

当時の日本は、西洋人との交流が盛んになっており、対等な関係を築くために西洋人の服装を真似するようになったようです。はじめは、お金持ちの家庭、政治家、西洋人と取引きする人たちの間で広まっていましたが、次第に一般家庭にも普及していったとされています。

1-1.ベストの種類

ベストにもいろいろな種類があります。下記で紹介する「シングルベスト」と「ダブルベスト」以外に、衿付きや衿なしといったタイプもあります。
衿が付くと、より古典的で品格のある雰囲気を醸し出し、ジャケットを脱ぐとさらに強い印象を与えます。ここにシンプルなネクタイを締めると、まとまって見えるでしょう。
もっとも王道のベストといえるのが、衿なしのタイプです。使いやすく、多くの人がお持ちのベストのため、個性を出したいとお考えであれば、衿付きベストに挑戦してみてください。

1-2.シングルベスト

シングルベストは、真ん中にボタンが付いています。ボタンの数もベストによって異なり、4つのボタンが付いているベストは、Vゾーンが深めです。ネクタイを際立たせたい場合、ボタンが少ないベストがおすすめです。狭いVゾーンがお好みであれば、ボタンが6つ付いているベストを選びましょう。

1-3.ダブルベスト

ダブルベストは、前合わせが重なるタイプです。ジャケットを脱いだ時やジャケットのボタンを開けたときに、より存在感が強調され、オシャレ度が増します。ファッション性を追究したい方におすすめのベストといえます。

2.スーツのベストを着用するシーン

スーツのベストは、下記のようなシーンで着用します。

2-1.フォーマルシーン

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結婚式などのフォーマルシーンでベストを着用すれば、よりフォーマル感が出ます。また、ジャケットだけのツーピースタイプに比べ、ベスト付きのスリーピーススーツは華やかさを演出でき、結婚式の乾杯の挨拶や式でスピーチをする方にぴったりといえます。いつもと違う雰囲気を出してくれるベストは、新郎や新婦に対してお祝いの気持ちを表すのにおすすめの一着です。
フォーマルシーンで着用するため、ベスト付きのスーツを購入する方もいらっしゃいます。ベスト付きのスーツであれば、ビジネスシーンでも着用できる場合もあるため、「滅多に着なくてもったいない」とはならないでしょう。

2-2.ビジネスシーン

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スーツのベストは、ビジネスシーンの定番のスタイルです。ベスト付きのスーツであるスリーピーススーツは、ジャケット、パンツ、ベストを揃えて着るのが適切とされており、ネクタイでしっかり締めれば、仕事ができる男性の雰囲気を演出してくれます。
仕事中、堅苦しいジャケットを脱いでシャツ姿になる方もいらっしゃいますが、シャツは下着とされているイギリスではシャツ一枚になることはあまりありません。そのため、スーツにベストを着用して、ジャケットを脱いでもマナー違反をしないようにしているのです。
一方、湿気が多い日本では、日本に合わせたスーツのベストの文化が広まったため、仕事には相応しくないと考える方もいるようです。ただ、寒い時期に外回りなどをするビジネスマンにとって、スーツのベストは防寒の役割をしてくれるので、外に行く機会が多い方にはおすすめといえるでしょう。

2-3.パーティーシーン

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スーツのベストを着用すれば、エレガントな雰囲気を演出してくれるため、パーティーシーンに向いています。ジャケットの間から見え隠れするベストは、さらにオシャレ感を出してくれます。ネクタイを締めると、仕事のような感じになってしまう方は、ネクタイを外しても問題ありません。ベストを着用しているので、かしこまった雰囲気を出してくれます。蝶ネクタイで親しみやすさを演出するのもおすすめです。

3.スーツのベストの着用を避けるべきシーン

スーツのベストは着用しない方がいいシーンもあります。まず、就職活動に伴う面接がある場合、スーツにベストを着用するのは避けましょう。ベストはオシャレ感や格式高い雰囲気を出してしまうため、面接において自己主張の高さを出してしまう恐れがあります。

あまり、良いイメージを持たれないことが多いため、面接でもスーツのベストは相応しくないといわれています。ただ、面接する企業がアパレル関係の会社の場合、洋服に対するセンスなども重要視されるので、スーツのベストもNGにはならない可能性があります。
次に避けたほうがいいシーンは、葬儀に出席するときです。格式の高さを出すスーツのベストは、喪主や親族に失礼に当たるとされています。
さらに、ビジネスシーンでもスーツのベストを避けたほうがいいときがあります。それは、目上の人や取引先に新入社員などの若い人が初めて会う場合です。スーツのベストを新入社員が着ていると、目上の人に良くない印象を与えてしまう可能性があります。また、大切なシーンでジャケットを脱いでベスト姿で仕事するのも失礼に当たるので注意しましょう。
今日の仕事では何をするのか、誰に会うのかなどを事前に確認して服装を決めることが大切です。

4.スーツのベストを着用するメリット

スーツのベストを着用すると、下記のようなメリットを得られます。

4-1.スタイリッシュさが出せる

スーツのベストを着用すると、シュッとした雰囲気になり、スタイリッシュさを演出してくれます。スーツのベストが付いているスリーピーススーツは、ジャケット、パンツ、ベストがセットになっているため、統一感がさらに増し、かっこよく見えるのです。
また、ベストの生地やカラーだけ変えると、オシャレ上級者のような雰囲気が出て、さらにスタイリッシュになるでしょう。

4-2.高級感・華やかさが出せる

スーツのベストは、ベストを着用していないときより華やかさが出ます。そのため、華やかな結婚式や披露宴でのスーツのベストは最適な格好といえます。

4-3.スタイルアップができる

ベストには、ネクタイまわりのVゾーンを立体的に見せる効果が期待でき、その分視線が上になって足長効果につながります。さらに、男らしさを強調したい方はVゾーンが浅いタイプのベストを着用すれば、胸板に厚みが出ているような感じになります。
また、ジャケットやパンツより濃いカラーのベストを選ぶと、ウエストが引き締まっている感じが出てスタイルアップ効果を得られます。このように自分のスタイルをどのように見せたいかでベストを選ぶのもおすすめです。

5.シーン別スーツのベストの選び方

下記の3つのシーン別スーツのベストの選び方をご紹介いたします。

5-1.フォーマルシーン

結婚式や披露宴のようなフォーマルシーンでは、黒などのモノトーンが昔から基本になっています。ただ、最近はそのような風潮も薄れ、自分がしたいスタイルで参加する方が増えている傾向にあります。昔に比べ、自分らしさを大切にする時代の流れが背景にあるのでしょう。

あまり目立ちすぎず、フォーマルシーンを意識した服装であれば、周囲も嫌な気持ちにはなりません。黒が最も選びやすいカラーですが、爽やかなネイビーも上品な雰囲気を作ってくれるのでおすすめです。

5-2.ビジネスシーン

ビジネスシーンで向いているベストは、ブラウンやネイビー、グレーといった落ち着いたカラーです。フォーマルシーンのような黒のベストは、ビジネスシーンにあまり適していません。大切な取引の場でも落ち着いたカラーのベストであれば着ていけるでしょう。
また、ジャケットとベストのカラーを少しだけ変えて着こなすと、なお仕事ができる男らしさを演出してくれます。とくに着まわし抜群な明るめのグレーのベストは、どのようなスーツにもマッチするので一枚は持つことをおすすめいたします。
仕事中にジャケットを脱ぐシーンも考えられるので、高品質な生地で見た目のよいベストを選びましょう。見た目も恥ずかしくないベストなら、躊躇せずにジャケットを脱げます。

5-3.パーティーシーン

パーティーシーンに着て行きやすいのは、衿なしのシングルベストです。もっとも王道で、スタイリッシュさも与えられ、ベストを着なれていない若者世代でもチャレンジしやすいでしょう。ファッション性が高い衿付きのシングルベストは、オシャレが得意な方に向いているデザインで、より古典的な印象を与え、パーティー中にジャケットを脱いでもその場に相応しい恰好といえます。
上記でも紹介しましたが、パーティーシーンでおすすめのベストのカラーはエレガントな雰囲気を出してくれるグレーです。スリーピーススーツ全体をグレーでまとめてもかなりスタイリッシュさが出ます。また、楽しいパーティーシーンにはシルバーのベストも相性抜群です。ただ、礼服をイメージさせる黒のベストはNGなので注意しましょう。
柄を付けたい方は、なるべくシンプルに千鳥格子や無地にするのが無難です。あまり派手だと着回しもできなくて、一回着て終了となる場合もあります。

6.スーツのベストを着こなすポイント

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下記のポイントを押さえて、スーツのベストを選んでみましょう。

6-1.体型にあったサイズを選ぶ

スーツのベストを適切に着るには、自分の体型に合ったものを選ぶ必要があります。長すぎたり短すぎたりするベストの丈だと、かっこよくスーツを着こなせません。ベストの丈は、ベルトが隠れるくらいを目安にしましょう。ベストの丈が合っていないと、マナー違反と捉えられる恐れもあるので、購入する際は忘れずに確認してください。
また、ベストがどの程度身体にフィットするかも大切です。小さすぎて中に着ているシャツが見えてしまうと、マナー違反を指摘されたり、大きすぎて着ぶくれやだらしない印象を与えてしまったりするので注意が必要です。ベストを購入するときは、自分に合ったサイズを選びましょう。

6-2.ジャケットやパンツと同色を選ぶ

スーツ全体を同じカラーで揃えると統一感が出て、大人らしく着こなせます。同色で揃えやすいのは、グレーやネイビーといったシンプルなものが挙げられます。全く同じカラーでなくても、同系色で揃えてもまとまりが出るのでおすすめです。
いくつかのカラーを使いたい場合、2~3色までに抑えましょう。あまりいろいろなカラーを使うと、ごちゃごちゃした印象を相手に与えてしまいます。グレースーツに白いシャツ、ベストも同系色に揃え、ネクタイはブラウンにすれば3色で納まります。あえてベストのカラーを同系色以外にしても、スーツとネクタイを同じようなカラーに合わせれば、統一感が出ます。
ベストだけを購入する際も、ジャケットやパンツに合わせやすいカラーを選ぶと着回せます。一着は着まわしやすいカラーのベストを購入し、二着目を購入する機会があれば、自分の好きなカラーを選んでみましょう。

6-3.1番下のボタンは留めない

ベストを着用する際、一番下のボタンは留めないというルールがあります。ジャケットも同じく、一番下のボタンは留めないのがマナーとされています。一番下のボタンを留めると、ベストのシルエットが曲がってしまったり、変にしわになったりする可能性があるので、留めないでおいた方がかっこよく着こなしを維持できるでしょう。
ただ、ベストの上にジャケットを着る場合は、ジャケットのボタンは留めても留めなくてもどちらでも問題ないとされています。ボタンをせずにファッション性を出したい方もおり、海外ではジャケットのボタンは留めていない人が多い傾向にあります。
シングルベストは、ボタンの数が4~6つ付いています。ダブルベストは、全部で6~8つのボタンが付いていますが、どちらのベストも一番下のボタンは留めないルールに従って着用するのがマナーです。

6-4.シャツの衿はベストから出さない

ベストを着こなすために、シャツの衿をベストから出さないのもポイントです。ベストの形とシャツのタイプの相性が悪いと、ベストからシャツの衿が出てしまいがちです。それを回避するには、シャツのタイプを変更してみるのがおすすめです。

たとえば、衿が大きく開いている「セミワイドカラーシャツ」「ワイドカラーシャツ」です。このようなタイプであれば、衿をベストから出さずに着こなせる可能性が高くなります。スーツのベストをスタイリッシュに着こなすには、このような細かい点にも配慮することが大切です。

まとめ                      

スーツのベストは衿ありや衿なし、シングルベスト、ダブルベストといったいろいろなタイプがあります。シーンに合わせ、その場に相応しいベストを選ぶことが大切です。ただ、面接や葬儀、仕事で目上の人や初めて取引先に会う場合は、スーツのベストは着用しない方がいいとされているので気をつけてください。自分の体型に合ったベストを選びマナーを守りながら、スーツのベストを着こなしましょう。

この記事を書いた人
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2004年に株式会社コナカに入社。2007年にコナカの店長として6年間勤務。その後茨城地区の複数店舗を統括するエリアマネージャーとして4年間勤務。2016年新規事業である「DIFFERENCE」のバイヤーとして商品本部に配属され、7年目を迎える。現在はレディースとメンズカジュアル関係のバイヤー業務を担当。実際のウェァリング調査を密に行い、市場の流れやお客様のニーズを察知することで次シーズンへの企画や生産に活かしています。また異業種や幅広い年齢層の方々とも積極的に交流する事を大事にしております。バイヤーの仕事は物を作ることも大切ですが、まずは販売スタッフに想いを届ける事が重要と考えています。