スーツはビジネスシーンからカジュアルなシーンまで、幅広いシーンで万能的に活躍します。オールシーズン着用できるスーツも販売されていますが、それぞれのシーズンに特化したスーツを着用した方が暑い夏や寒い冬を快適に過ごせる場合が多いでしょう。その理由は、生地の素材や厚みがオールシーズンのスーツとは異なっているためですが、シーズンに特化したスーツにも多くの商品があり、どのようなスーツを選ぶべきか迷う人も少なくないでしょう。
そこで本記事では、冬のスーツの選び方について、選び方のポイントやコーディネートのテクニック、防寒対策などについてご紹介します。冬に特化したスーツをどのような基準で選ぶべきかがわかりますので、ぜひ参考にしてください。
厳しい冬の寒さを快適に過ごすためには、季節に合わせた素材やデザインのスーツを選ぶことが大切です。冬の季節に合う適切なスーツを選べば、寒さに耐えるだけでなく、トレンド感の高さをアピールできるでしょう。
スーツには「春夏用」「秋冬用」「オールシーズン用」の3つのタイプがあります。それぞれのスーツは季節に合わせた素材やデザインが特徴です。
春夏用のスーツは薄くて通気性が良い素材が使用されており、少し暑い季節でも快適に過ごせます。一方で、秋冬用のスーツは厚手の素材が使用されており、秋から冬にかけて寒さが厳しくなってきても暖かく過ごせるように作られています。
オールシーズン用のスーツは年間を通して着用できる汎用性の高い仕立てになっていますが、夏は暑く、冬は寒く感じることがあるため、季節に合わせてスーツを選ぶのがおすすめです。
春夏用と秋冬用のスーツは素材にも違いがあります。春夏用のスーツはリネンやモヘアなどの薄くて通気性が良い素材が使用されています。一方で、秋冬用のスーツは、ウールやツイードなどの厚手の素材が使用されていることが多いです。
また、スーツの色のトレンドも季節によって異なります。春夏用のスーツは明るい色がトレンドですが、秋冬用のスーツは濃い色がトレンドとなる傾向になりやすいです。季節に合わせてトレンドを押さえた適切なスーツを選ぶことで快適に過ごせるだけでなく、相手にも良い印象となるでしょう。
冬のスーツを選ぶときは冬の寒さを快適に過ごすために、暖かみのある素材感の生地を選びましょう。特にツイードやフランネルは暖かさと独特の質感を持ち、冬のスーツ選びにおすすめの素材です。
ツイードはツイード河流域を原産地とした、イギリスのスコットランドが発祥とされる素材です。この名前の由来は、その地域にちなんで名付けられました。ツイードは、太く短い毛を用いた「紡毛糸」で作られており、平織りや綾織りといった織り方があります。
主に羊毛を使用しており、起毛させないのが特徴です。そのため、柄がはっきりと残りやすく、細かい模様まで再現できます。代表的な柄としては「ヘリンボーン」が有名です。ツイードのなかでもハリス島で作られる「ハリスツイード(HARRIS TWEED)」は、ハリスツイード協会の厳しい審査基準をクリアした生地だけが名乗ることを認められています。
フランネルの名前の起源は明確ではありませんが、16世紀頃からウェールズに存在したとされています。フランネルは太く短い毛を用いた「紡毛糸」で作られ、特に秋冬によく用いられる素材です。この素材は「ネル」とも呼ばれ、ネルシャツの「ネル」の部分にも使われています。
フランネルはウールだけでなくコットンも使用されることがあり、コットンで作られたものは「コットンフランネル」とも呼ばれます。織り方には「平織り」と「綾織」があり、片面や両面を起毛させることが特徴です。この起毛加工により、暖かみを感じられるように作られています。
これらの素材は冬の寒さをしっかりと防ぎつつ、上品な雰囲気を持っているため、ビジネスシーンやカジュアルシーンで活躍するでしょう。
秋冬の季節には暖かみのある色合いや独特の柄が特徴的なスーツが人気です。ビジネスシーンやフォーマルな場での着用では色だけでなく、着用シーンに適したデザインのものを選ぶのがポイントです。ここでは、秋冬におすすめのスーツの柄を紹介します。
ヘリンボーンはV字型の連続した模様が特徴です。この柄は起伏のある織り方によって立体感が出るため、高級感があります。深みのある色合いと相まって、秋冬の季節にぴったりの柄といえるでしょう。
たとえば、深いグリーンやネイビーのヘリンボーンのスーツは冬の寒さを感じさせない暖かみを持っており、多くのファッションブランドや専門家がヘリンボーンを秋冬のコレクションに取り入れています。
千鳥格子は小さなダイヤモンド型の模様が交互に配置された柄です。この柄は、シンプルでありながらも独特のリズム感があり、上品な印象を与えられるのが特徴です。特にダークトーンの色合いと組み合わせると、落ち着いた雰囲気を演出できます。
たとえば、ダークグレーの千鳥格子のスーツはビジネスシーンでの信頼感を高める効果があり、多くのビジネスマンやセレブリティが千鳥格子のスーツを選んでいます。
チェック柄は縦と横のストライプが交差して形成される柄です。カジュアルからフォーマルまで幅広く対応できる柄で、とくに秋冬はウール素材との相性がよいです。
たとえば、ブラウンとベージュのチェック柄のスーツは、カジュアルながらも上品な印象を与えられます。
バーズアイは小さなダイヤモンド型の模様が織り込まれた柄です。シンプルながらも独特の光沢感があり、高級感を演出します。深い色合いとの組み合わせがおすすめです。
たとえば、ブラックのバーズアイのスーツはフォーマルな場での注目を集められるでしょう。
冬のスーツでは深みのあるカラーが人気です。ダークグリーン、ネイビー、ブラウンなどの色は冬の季節感を引き立て、上品な印象を与えます。これらの色は暗めの色合いのため、フォーマルな場面にも最適です。
冬の寒さを快適に過ごすためのスタイルとして、スリーピーススタイルがおすすめです。このスタイルはクラシックでありながら現代のビジネスシーンでも活躍するファッショナブルなスタイルです。
スリーピーススタイルとはジャケット、ベスト、パンツの3つのアイテムで構成されるスーツのことを指します。このスタイルはクラシックでありながらも、現代のビジネスシーンでも非常に人気があり、フォーマルな場面やビジネスの場で着用する人が多く見られます。
たとえば、重要な会議やプレゼンテーションの際はスリーピーススタイルを選ぶことで、ほかの参加者にプロフェッショナルな印象を与えられるでしょう。
スリーピーススタイルの大きな特徴として、ベストが加わることで体温を保ちしやすく、冬の寒さから身体を守る効果があります。ベストが中間層として機能し、暖かさを逃がしません。たとえば、冬の寒い日に外出する際、ジャケットだけでは寒さを感じることも少なくありません。寒さを感じたときはベストを追加することで、簡単に寒さを和らげられます。
冬のスーツをより魅力的に見せるためのコーディネートは季節感を取り入れたアイテムや素材の組み合わせが鍵となります。ここでは冬のスーツのコーディネートのポイントを紹介します。
冬のスーツにはウールやカシミアのような暖かみのある素材のネクタイを合わせると、全体のコーディネートが引き締まります。
タートルネックは首元を暖かく保てるため、冬のオフィスカジュアルに最適です。スーツのインナーとしてタートルネックを取り入れると、暖かさとともにスタイリッシュな印象となります。
ストールは冬のアクセサリーとして欠かせないアイテムです。カシミアやウールのような上質な素材のストールをスーツに合わせることで、一気にコーディネートの格上げができます。
冬のスーツ選びでは見た目のスタイルだけでなく、しっかりとした防寒対策も必要です。寒さから身体を守るためのアイテムやテクニックを取り入れることで、快適に過ごせるでしょう。ここでは、冬のスーツの防寒対策について解説します。
機能性の高いインナーの着用は冬の寒さ対策としておすすめのテクニックのひとつです。機能性インナーは発熱や吸湿発熱の機能を備えたインナーで、自分の身体から発する水分とインナーの繊維が反応して熱を生み出します。
人体は常に汗などの水分を発しているため、機能性インナーを着用すれば特別な運動などをしなくても安定して体温を保つことができます。冬のスーツスタイルには欠かせない便利なアイテムのひとつです。
ハイゲージのニットは織りが細かく、暖かさも提供してくれます。これをスーツのインナーとして取り入れることで、より一層の防寒効果を得られます。
手袋やマフラーなどの防寒アイテムを使用することで、冬の寒さから身体を守ることができます。手や首は冷えやすい部分なので、しっかりと対策をすることが大切です。
冬のスーツスタイルにはコートやダウンジャケットなどのアウターが欠かせません。ロングコートやダブルブレストのコートはスーツとの相性が良く、暖かさも抜群です。ショート丈のダウンジャケットなどはビジネスシーンに適したデザインではないことが多いため、できるだけ避けるようにしましょう。
冬のスーツ選びやコーディネートには季節感を取り入れたアイテムや素材の選び方が重要です。各シーズンに合わせたスーツが用意されているため、暑い夏や寒い冬を快適に過ごすに最適な素材や厚みのスーツを選ぶことをおすすめします。今回紹介した選び方のポイントを参考に、暖かくスタイリッシュな冬のスーツスタイルを楽しんでください。