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スーツの後ろ姿は自分自身では見えにくい部分でありながら他人の目につきやすいため、着こなしには十分に注意する必要があります。ベントのデザイン、着丈の長さ、パンツのシルエットを調整することで、後ろ姿もキレイに仕上げられます。
この記事では、スーツの後ろ姿で気をつけるべきポイントについてご紹介します。後ろ姿で避けたいシルエットも解説しているため、スーツに慣れていない方でも自分に合ったスーツ選びができるようになります。
スーツの着こなしで良い印象を与えることができれば良好な関係構築につながります。スーツ姿の印象が良くなければ、それだけで信頼を失うケースもあります。スーツの着こなしはビジネスの結果を左右するといっても過言ではありません。もちろん、着こなしの重要性はすでに多くのビジネスパーソンに理解されており、正面の姿は自分でも見えるため注目されやすい傾向にあります。しかし、後ろ姿こそ人に見られていることに気づく方は多くないでしょう。後ろ姿にも気を配れてこそ、より良いスーツの着こなしになるのです。

スーツの後ろ姿を決める3つのポイントをご紹介します。
ベントとはスーツのジャケットにつけられた背中側の裾の切れ目のことです。背中の中心につけるベントや脇のあたりにつけるベントなど、種類があります。仕立てたばかりのスーツのベントにはしつけ糸が縫われており、運搬中の型崩れ防止の役割があります。着用前に外しておきましょう。
スーツは元々、貴族の乗馬服や軍服として作られました。乗馬や下馬がしやすいよう、もしくは帯刀してもキレイに着こなせるように裾に切れ目を入れたのがベントのはじまりです。ベントはジャケットを着用したときのシルエットを決める重要な要素になるため、ご自身のスタイルに合ったものを選ぶことが大切です。
スーツの後ろ姿は着丈の長さで大きく印象が変わります。着丈とは後ろ衿の中央から上着の裾の先までの長さのことです。目安の着丈の長さを参考にしつつ、自分に合った着丈になるよう調整できるとベストです。
適切な着丈の長さに調整できるとキレイなシルエットにつながります。数値以外の目安としては、ヒップが隠れるギリギリの長さで調整すると足が長く見える効果が得られます。ジャケットの肩からウエストに向かってシェイプしたポイントから自然な流れでパンツにつながると、足がスリムに見えるように仕上がります。
後ろ姿のシルエットをキレイに見せるにはジャケットだけでなく、パンツにも注意する必要があります。裾にたるみができない長さで調整すると、すっきりとしたシルエットになります。パンツは太さと長さのバランスを見て検討しましょう。太いパンツの場合は裾を長くして、細いパンツ場合は裾を短めにすることを意識しましょう。
また、パンツのシルエットを崩れないように保つにはパンツのポケットを使用しないことが大切です。サイドやヒップのポケットに物を入れると形が崩れ、野暮ったく見えてしまいます。
ベントの有無だけでなく、デザインも気にするべきポイントのひとつです。ベントは元々、馬の乗り降りや帯刀の際にキレイに見えるためにつけられたものです。現代でも動きやすさや動いたときのシルエットを保つために活躍します。では、ベントにはどのような種類があるのでしょうか。詳しく解説していきます。
スタンダードなベントといえばシングルベント(センターベント)で、背中側の裾の中央に切れ込みを入れたデザインをしています。乗馬の乗り降りで入れられるようになったベントのデザインが踏襲されており、既製スーツの多くにシングルベルトが採用されています。ベントが中央にあることで動きやすさとシルエットのキレイさをキープしてくれます。
サイドベンツはシングルベント(センターベント)と並びスタンダードなベントで、背中側の裾の両脇に切れ込みを入れたデザインです。軍人の帯刀で入れられるようになったベントのデザインが踏襲されており、ひとつの切れ込みであるシングルベントに比べてサイドベンツは切れ込みがふたつあるため、より動きやすくなります。
シングルベントよりもヒップを隠しやすい点もメリットのひとつです。さらに、ベントにはさまれた裾が風などで揺れると優雅な印象を与えます。サイドベンツはベントが複数になるため、英語の複数形であるベンツに変化しています。
ノーベントはフォーマルなシーンで着用するスーツにデザインされるベントです。ジャケットの裾に切れ込みを入れません。先述のとおり、ベントの効果は動きやすさを向上させることにあるため、ノーベントだと動きが制限されます。ただ、フォーマルな場所では大きく身体を動かすことは多くないため、着用するスーツにはベントを入れません。
動きが制限される代わりに、見た目が上品に仕上がるのがノーベントの特徴です。冠婚葬祭や式典などで着用するフォーマルスーツやタキシードなどがノーベントのスーツに該当します。
フックベントはシングルベント(センターベント)と同様に背中側の裾の中央に切れ込みを入れたデザインのベントです。ベントの開きの始まり部分がフック型(カギ型)に仕立てられているのが特徴です。
シングルベント(センターベント)の機能をそのままに、デザイン性を向上させたものです。アイビースタイルのスーツやモーニングコートでベントにフックベントが採用されています。アイビースタイルのスーツとはアメリカ東部8大学のエリート学生や卒業生が好んで着用したデザインのスーツで、モーニングコートは昼における最上級の正装です。フックベントがあるとスーツへの細かなこだわりが感じられます。
着丈の長さは数値の目安が参考にはなりますが、自分の身体に合うよう調整するのがおすすめです。
着丈の測り方には出来上がり寸法とヌード寸法の2種類があります。ジャケットを着用したまま自然に腕をおろした状態で測る実際のやりかたが出来上がり寸法で、適正を知るための測り方がヌード寸法です。出来上がり寸法は出来上がったスーツの寸法を測るため、ゆとりが確保された状態の長さを確認できます。
着丈は首の後ろの付け根から裾までを縫い目に沿って測ります。ヌード寸法では首の付け根から踵までの総丈、胸まわりのオーバーバスト、肩幅を測る肩巾、肩から手首までを測る桁丈など、自分の身体それぞれのパーツの長さを細かく測ります。自分に合ったサイズがより正確にわかるようになります。
着丈の長さはヒップを基準にすると自分に合ったジャケットに仕上がります。ヒップのシルエットを活かすため、ヒップの頂点にジャケットの裾がかかって少し隠れるあたりが着丈の目安です。
また、鏡でチェックしながらキレイに見えるポイントを探していくことが大切です。着丈が長すぎる場合、ジャケットでヒップが完全に隠れてしまうため、ダボついたシルエットになってしまいます。反対に着丈が短すぎる場合、ジャケットからパンツへ自然とつながらなくなるため、ヒップが目立ってしまいます。
スーツの着丈が短すぎると身体のシルエットが強く出てしまいますが、標準よりやや短めの着丈であれば、カジュアルスマートな印象になり、スタイリッシュなスタイルに仕上がります。特にヒップが小さめな方は着丈をやや短めにすることで全体のバランスが整い、パンツの見える範囲が広くなるため、足長効果も期待できます。
ヒップの3分の2が隠れるほどの長さを目安に着丈を調整しましょう。ただし、着丈を短くするとカジュアルな印象が強くなるため、着用する場所を選ぶ必要があります。誠意が求められるビジネスシーンでの着用は控えるのが無難です。普段のスーツスタイルにオシャレを取り入れるためのポイントとして採用するのがおすすめです。
標準よりやや長めの着丈にすると、どっしりとした印象に変わります。やや長めの目安はヒップの頂点を隠す程度の長さです。ジャケットの裾がヒップの頂点のあたりにあると軽やかな印象を受けますが、ヒップを隠すと落ち着いた貫禄のあるスタイリングに仕上がります。
身体にピタッとしているスタイルが流行している時期もありましたが、近年ではクラシック回帰の動きが増えており、人気のあるシルエットとなっています。ゆったりと着こなしつつ、現代風に適度にフィットするスーツがおすすめです。

パンツは短くても長くてもだらしなくなる印象になるため、調整に苦労するポイントです。裾がシューズの甲に当たるワンクッション、甲に触れるハーフクッション、甲に触れないノークッションのいずれかの長さを選びましょう。
ヒップサイズが小さいと食い込みが目立ち、ヒップサイズが大きいとシワがよるため、注意してください。立ったときにポケットが開かない程度であれば、ゆとりがあるフィット感が得られます。
後ろ姿をキレイに見せるにはジャケットのベントと着丈の長さ、パンツのシルエットにこだわることが大切です。避けたいシルエットのポイントを押さえ、マイナスポイントがなくなるだけで、清潔感のある着こなしに仕上がります。
ベントはジャケットを身につけていても動きやすいように取り入れられていますが、自然な立ち姿の状態のときは閉じているのが通常です。ベントが閉じることでシルエットがキレイにみえます。閉じるべきベントが開いているとヒップがあらわになり、だらしなく見えてしまいます。シルエットが崩れてしまうため、見た目もよろしくない状態です。
なぜ、ベントが開いてしまうのでしょうか。それは身体のシルエットに対してタイトなスーツを着用しているからです。ヒップの大きさにジャケットを調整できていないのが原因です。改善方法として、サイドベンツのジャケットを着用するのがひとつです。
シングルベント(センターベント)の場合、ベントが中央にあるため動くとベントが開いてヒップが見えてしまいます。サイドベンツは両脇にあるため、ベントが開いてもヒップが見えにくい仕様です。ベントが複数であるため、動きがあっても見た目の崩れを軽減してくれます。
また、ジャケットのウエストをサイズアップさせて調整するのもひとつの手段です。ウエストがタイトな場合、少し動いただけでベントが大きく開いてしまいます。ウエストにゆとりを持たせることで、ベントの開きを抑えることができます。ウエストに余裕があると着用した際の窮屈感が減ります。落ち着いた貫禄のある雰囲気が出るようになるメリットもあります。
背中は目につきやすい箇所でもあるため、シワには十分な注意が必要です。両側の肩甲骨に引っ張られて横方向にシワが寄っている場合、肩や後ろ首といった正体からずれた姿勢がシワの原因です。また、ジャケットのサイズが小さい場合も引っ張られて横方向のシワができてしまいます。縦方向にたるむようにシワが寄っている場合、ジャケットのサイズが大きすぎることが原因です。
横方向のシワの改善方法として、姿勢が原因の場合はパットの量や衿の位置を調整することで補正できます。ジャケットのサイズが原因の場合は胸まわりに余裕を持たせることで引っ張りをなくすことができます。縦方向のシワの改善方法として、肩と背中にフィットするよう適正サイズのジャケットを選ぶことが大切です。
スーツでの後ろ姿をピシッと決めるには、裾の先にまでこだわりを見せる必要があります。ジャケットはもちろん、パンツの裾にも目を向けて自分に合ったものを着用しましょう。パンツ丈が長すぎる場合は足元の裾にシワが寄り、だらしなく見えてしまいます。
ジャケットをキレイに着こなせていても、足元がだらしないと残念に思われます。シューズを着用する前のくるぶしが隠れる位置、踵から指1本分、踵が隠れる位置のいずれかに合わせましょう。
サイズが合わないジャケットを着ると背中にシワが寄るように、パンツも自分に合ったサイズでなければ見た目の良くないシワが寄ってしまいます。サイズが小さいと深いシワが入ってしまい、サイズが大きいと生地のたるみでシワが付いてしまいます。
パンツのサイズはウエスト・ヒップ・太ももでそれぞれ確認してください。ウエストは手のひらが入る、ヒップはたるみや張りすぎがなく座っても余裕がある、太ももは裏側を指でつまめるサイズを目安に調整します。
後ろ姿は自分では見えにくいものの他人からは目につきやすいため、印象を大きく左右するポイントです。スーツの細かなサイズ調整にも気を向けることで、後ろ姿までキレイな着こなしができるようになります。ベントのデザイン、着丈の長さ、パンツのシルエットの3ポイントを確認し、好印象な姿でスーツを着こなしましょう。