スーツのお直しができる範囲は?お直しをする際の注意点も解説

23.10.24

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スーツのお直しができる範囲は?お直しをする際の注意点も解説

スーツの着こなしは印象を左右するため大切です。特にサイズ感が合っていないスーツは、だらしないように見えたりカジュアル感が強まったりと、ビジネスシーンでは失礼にあたる恐れもあります。
とはいえ、体型やトレンドの変化でサイズ感やシルエットが合わなくなるケースはよくあることです。その場合には、ビシッとしたスーツの着こなしが復活するお直しがおすすめです。
この記事ではスーツのお直しできる範囲や、費用の目安・期間についてご紹介します。

1.スーツのお直しの必要性

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スーツの着こなしは、ビシッと着こなしていると相手に良い印象を与えます。
とくにサイズ感では、大きいとだぼついてルーズな印象となり、反対にきつかったり短いサイズは貧相な印象を与えます。どちらにしてもイメージダウンにつながり残念な印象となります。
スーツは長く着用できるものなので、その間に体型が変わってしまいサイズが合わなくなってしまうことがあります。また、スーツのトレンドも少しずつ変化していきます。
体型の変化でサイズが合わないスーツや、トレンドの変化でフォルムが流行遅れかな?と感じるスーツでも、お直しすることで改めてかっこよく着こなせる可能性があります。
身体のサイズやトレンドに合わせたシルエットの着こなしは印象にも違いが出るため、お直しに出すことをおすすめします。

2.スーツのお直しが必要かのチェックポイント

スーツのお直しが必要か判断できるチェックポイントをご紹介します。

2-1.ジャケット

まずは、スーツジャケットの適性サイズを見ていきましょう。

  • 袖丈の長さ

腕をおろした時に、スーツの袖口が親指の先から11〜12cmくらいの長さになるのが目安です。ワイシャツがスーツの袖口から1〜1.5cmほど見えるとバランスが良いです。

  • 肩回りのライン

スーツの肩山の部分に肩が収まり、肩山部分を指1本でつまめるくらいのゆとりが目安です。スーツの肩幅が小さいと二の腕の上部にシワが入り、大きいと肩山がずれて肩まわりや胸まわりにシワが入ります。

  • Vライン

ボタンを留めてキレイにVラインができているか確認します。胸囲よりもスーツが小さいと衿が浮きVラインが湾曲し、サイズが大きいと縦にシワが入ります。胸にこぶしひとつが入るかが目安です。

  • 背中のシワの有無

胸囲やウエストのサイズが合っていないと背中にシワができキレイに見えません。背中が突っ張っていないか、たるんでいないか確認します。

  • ボタン着用時のライン

ボタンを留めるとスーツにシワができてしまうのはNGです。ボタンを留めてボタンの位置にこぶしひとつが入るくらいが目安です。タイトなシルエットが好みでも手のひらが入るくらいの余裕は持たせます。

  • 脇下のたるみ

ボタンを留めた状態で、背面側や横側から確認して縦や横にシワが入っていないか確認します。サイズが大きいとシワが入ってしまいます。

  • 衿まわりのライン

ワイシャツの衿が見えるかが目安です。小さいサイズだとスーツとワイシャツの衿元に隙間があき、大きすぎるとワイシャツの衿が隠れてしまいます。

2-2.パンツ

スーツパンツの適性サイズのチェックポイントは下記です。

  • ウエストまわりのサイズ

パンツのウエスト部分が腰骨の上にくる位置ではくのが正しい位置です。上げすぎるとジャストサイズでもシワが入ったりきつく感じたりします。正しい位置ではき、ベルトなしの状態で、手のひらが無理なく入るくらいが適正なサイズです。

  • ポケットのライン

ウエスト部分のポケットがちゃんと閉じているか確認します。パンツがきつくなるとポケットが引っ張られて開きます。

  • バックラインのゆとり

少しゆとりがある程度が適正です。後ろや横から見て、ヒップが浮き上がっているのは小さい証です。

  • 内もものもたつきの有無

太ももまわりの生地を指でつまめるか確認します。ゆとりがあり過ぎるともたつき、細すぎても太もものラインがぴったり出てチープな印象に捉えられる可能性もあります。

  • 裾丈の長さ

裾丈の長さは裾が靴にかかり、裾が少しだけたるむ程度が目安です。直立状態でくるぶしが見える、裾がたるみすぎているなどはNGです。靴を脱いだ状態であれば、床から指1〜2本分のあたりに裾がくるとちょうど良い長さです。

  • プリーツのライン

ウエスト部分の両サイドに、折り込んでひだ(プリーツ)になった部分を確認します。ポケットのライン同様、サイズがきついとプリーツ部分が開き、ゆるいとシワが出ます。

  • センタープレスのライン

センタープレスは、パンツの中央の折り目のことでセンタークリースとも呼ばれます。足の中央にラインが入っているため、足長効果やキチンと感を与えます。センタープレスのラインが真っ直ぐ入っているか、シワができないか確認します。

3.スーツのお直しができる範囲

スーツのお直しはサイズを小さくすることは無理のない範囲で可能ですが、サイズを大きくすることは難しくなります。サイズを大きくする場合、縫製のときに必要な縫い代でしか調整できないため1〜4cmほどと限りがあり、お直しの位置や素材によってはできない場合もあります。
ジャケットとパンツ、それぞれの部位に分けてお直しできる範囲をご紹介します。また、お直しではサイズダウンすることを「つめる」、サイズアップすることを「出す」と表現されます。

3-1.ジャケット

ジャケットのお直しできる範囲を見ていきます。

・着丈つめ

着丈は首のつけ根から裾の部分までの長さのことです。

着丈の長さは、つめることが可能です。着丈の長さの目安は、ヒップラインが見えるくらいが適正の長さです。

・袖丈つめ

袖の長さをつめて短くできます。腕の長さは左右差がある場合もあるため、それぞれの長さに合わせて調整します。つめる分が長くなると袖口が広がるため、袖口の幅を狭める調整も必要になる場合もあります。

・袖巾つめ

袖巾は、脇の高さあたりの腕まわりのことで、つめて細くできます。肩山から袖をすっきりさせてウエストと隙間が空くと、すっきりとした印象になります。

・脇まわりつめ

脇まわり(ウエスト部分)はつめて3〜4cmほど小さくできます。ポケットの位置はずらせないため、シルエットの変化に注意が必要です。

・肩巾つめ

肩巾を狭めることができます。2cm程度が目安です。肩巾をつめる際には、肩パッドの調整を合わせて行うとバランスよくお直しできます。

・身巾つめ

身巾は胸囲の部分です。左右のラインをつめることで4cmほど小さくできます。

・その他のお直し

その他、肩パッドのお直しや、裏地の交換といったお直しが可能です。スーツは基本、キチンと感を出すため肩パッドが入っていますが、肩パッドを取り外したり薄くしたりすることで、柔らかい印象を出すことが可能です。
また、裏地がすり切れた、シミが付いたなどの場合も、裏地を取り換えたり一部だけを修理したりできます。

3-2.パンツ

続いてパンツのお直し範囲を見ていきます。

・丈つめ・丈出し

パンツの丈を短く、または長くできます。パンツ裾がシングルかダブルかで料金が変わる場合があります。

・ウエストつめ・ウエスト出し

ウエスト部分は小さくも大きくもできます。許容範囲は3〜4cmほどです。プリーツ部分を調整するなどで、それ以上の調整が可能となる場合もありますが、パンツのポケット位置は調整できないため、シルエットを考慮する必要があります。

・裾巾つめ

パンツ裾を小さくできます。丈つめした場合には、裾巾が広がるため一緒にサイズ感を確認すると良いでしょう。裾巾だけを大きくサイズ変更はできないため、膝まわりやふくらはぎ周辺も考慮する必要があります。全体にタイトすぎるとスキニーのようになり、カジュアルな印象となるため注意が必要です。

・太ももまわりのつめ

太ももまわりは2cmほど小さくできます。

・ヒップまわりのつめ

ヒップまわりは後ろの中心をつめて小さくできます。しかし、ウエスト部分からヒップの下の方へと徐々につめる幅が小さくなってしまうため、ウエストよりつめる幅が小さくなります。そのため、太もも周りをつめてヒップまわりのだぼつきを解消させる方法が良い場合もあります。

・その他のお直し

パンツの裾がすり切れた、おしり部分が裂けたといったことがあります。すり切れたり裂けたりした場所をつめるか、ミシンタタキやかけつぎといった手法で修理する方法があります。
このようなケースは、サイズが合っていないスーツを着用している場合に発生してしまうため、身体のサイズに合ったスーツを着用するようにしましょう。

4.スーツのお直しにかかる費用

スーツのお直しにかかる費用は直す場所によって費用が異なります。また素材などによっても費用は変動する可能性があります。どのようなお直しが最適か、どこまで対応が可能か店舗のスタッフと相談して確認するようにしましょう。

5.スーツのお直しの期間

スーツのお直し期間は直す場所によって異なります。調整箇所が多かったり複雑な調整になったりすると期間を長く見積もっておいたほうが良いでしょう。

6.スーツのお直しを依頼する際の注意点

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スーツのお直しを依頼するときは、下記に注意しましょう。

6-1.シルエットを崩さないようにする

ウエストや腕まわり、太ももまわりを小さくする場合、シルエットが大きく変化します。とくに太ももまわりだけ、ウエストだけといった一部分だけを調整すると全体のバランスも悪くなります。ヒップ中央の縫い目とサイドを調整する「三方出し」や「三方詰め」を行うことで、キレイなシルエットを保てるようになります。
丈つめ・丈出しよりも採寸が難しくなるため、スーツのフィッティング知識のある方に相談するようにしましょう。
小さくする場合にはワンサイズほど、大きくする場合にはハーフサイズほどが許容範囲だといえます。

6-2.購入した状態と全く同じにはならない

ウエスト部分を調整することで、ベルトループの位置が変わります。また後ろポケットの位置はウエストを出すと外側へ、詰めると内側へ動く場合があります。
前側はプリーツを増やす(ノータックをワンタック、ワンタックをツータック)ことで印象が変わります。ノータックはカジュアルなパンツに多く、ツータックになるとクラシカルな印象となります。

6-3.ミシン目が残る場合がある

サイズを大きくする場合には縫い代部分を出すため、もともとの縫い目跡が表に出てきます。そのため、素材によって縫い目が目立つ場合があります。
また、大きくすると縫い代が小さくなるため、縫い目の強度が弱まることも考えられます。

まとめ

体型が変わってしまった方や、クローゼットに眠らせたままずっと着ていないスーツがあるという方も多いのではないでしょうか。
スーツをジャストサイズにお直しして着用するとずいぶんと印象が変わるはずです。ぜひお直しに出すことを検討してみましょう。
基本的には自身の身体に合ったサイズのスーツ選びが大切です。

この記事を書いた人

2002年に株式会社コナカに入社。2008年にスーツセレクトの店長として4年間勤務。その後東京地区、千葉地区の複数店舗を統括するエリアマネージャーとして10年勤務。その後2021年に商品本部に配属され、現在バイヤーとしてメンズジャケット、メンズパンツのバイヤー業務を担当。市場調査、ファッション関連の情報収集、お客様ニーズの調査を行い、商品企画や生産に活かしております。1人でも多くのお客様のご意見、店舗スタッフからの要望に応えられること、また自製品をご購入頂き喜んで頂けることを常に考え、製品の生産に励んでおります。