結婚式に参加する際、スーツに注目が集まりがちですが、スーツの中に着用するワイシャツも重要なアイテムです。ワイシャツの色やデザインがスーツと合っていなければ、せっかくの衣装も台無しです。そこで、今回は結婚式におすすめのワイシャツについて詳しく紹介します。
本記事では結婚式に最適なワイシャツからNGなもの、ワイシャツを着用する際の注意ポイントにも触れています。結婚式に着用していくワイシャツを準備する際に参考にしてください。
結婚式に参列するゲストは基本的にスーツを着用しますが、ワイシャツはどのようなものを選ぶと良いのでしょうか。ワイシャツもさまざまな種類やデザインがあるため、適当に選ぶとフォーマルな場にふさわしくない格好になってしまうかもしれません。そこで、以下では結婚式で着用するワイシャツについて解説します。
結婚式で着用する最適なワイシャツはレギュラーカラーです。レギュラーカラーとは衿が75~90度に開いている衿型をいいます。このタイプはシンプルで洗練されたイメージに映り、冠婚葬祭どのシーンでも対応できる万能型です。
なお、結婚式ではレギュラーカラーよりもさらに衿が開いているセミワイドカラーやワイドカラーを選んでも問題ありません。セミワイドカラーは衿が100度前後に開いている衿型で、ワイドカラーは衿の開きが100~140度の衿型です。
レギュラーカラーと比べるとセミワイドカラーやワイドカラーは衿が開いている分、ネクタイの結び目が大きく見せられます。これにより、全体のスタイリングが華やかでフォーマルな雰囲気を演出できます。
結婚式などの冠婚葬祭においては白のワイシャツを着用するのが一般的です。白色は清潔感を象徴し、どの色のスーツとも相性が良いです。たとえば、フォーマルなホテルウェディングからカジュアルなレストランウェディングまで、どのような形式の結婚式でも白色のワイシャツは雰囲気を壊しません。
また、新郎やゲストなど参列者の立場に関わらず、着用できる点も大きな魅力です。これは白色がブラックスーツやダークスーツなど、どの色のスーツとも相性が良いことの表れです。白色のワイシャツは清潔感と普遍性により、フォーマルな雰囲気を一層引き立ててくれます。
結婚式に着用するワイシャツでおすすめの生地は「ブロード」の生地です。ブロードの生地はワイシャツ生地の中でもフォーマル度の高さに特徴があります。表面には滑らかな光沢感があるため、スーツとの組み合わせがより洗練されます。たとえば、黒や紺色のスーツにブロードの白いワイシャツを合わせると、光沢感がスーツのフォーマルさを一層引き立ててくれるでしょう。
そして、ブロード生地以外であればツイルの生地も適しています。ツイルの織り方は斜め方向に畝(うね)が浮き出るのが特徴で、綾織りとも呼ばれます。ブロードと同じく光沢感のある生地で、フォーマルでありドレッシーな着こなしのスーツと相性抜群です。さらに、ツイルの生地はシワになりにくく、肌触りがやさしいなど機能性にも優れています。
この他にもドビー織機で織られたドビーの生地は光沢があり、織り柄の模様が最大の特徴です。ストライプやドットなどのシンプル柄から、幾何学模様、花柄まで、豊富な種類の模様があります。そのため、スーツスタイルで個性を演出したい人にはドビー生地がおすすめです。
ここまで結婚式で着用する際のワイシャツについて解説しました。しかし、結婚式での着用を避けた方が無難なワイシャツも覚えておく必要があります。以下では、結婚式の参列で避けた方が無難なワイシャツについて詳しく解説します。
先述のとおり、結婚式では基本的に白無地のワイシャツがおすすめです。そのため、反対色である「黒」や「グレー」などは結婚式にはふさわしくないとされています。主な理由としては、暗い色のワイシャツは重たい印象とともに祝いの席には適さない色合いであるためです。
また、赤や青、黄色といった原色に近いものや、柄がはっきりわかるストライプやチェックなども結婚式には不向きのため、控えた方が無難でしょう。
結婚式に参加するゲストは、主役の新郎新婦よりも目立たない服装にしましょう。
結婚式に着用するワイシャツは格式や品格を反映するものでなければなりません。そのため、カジュアルなスーツで採用されるオックスフォード生地のボタンダウンシャツは冠婚葬祭の場にはふさわしくありません。オックスフォード生地はカジュアルな場での着用には向いていますが、フォーマルな場ではそのカジュアルさが浮いた印象になってしまいます。
また、ネルシャツに使用されるフランネル素材もカジュアルさから結婚式での着用には不向きといえます。さらに、リネンやニット生地もカジュアルに見えるため、冠婚葬祭の場では避けた方が無難でしょう。
白無地のワイシャツの中でも、衿の形状によってはカジュアル寄りに映るものもあります。一例として、衿先にボタンがついたボタンダウンのワイシャツがあげられます。ボタンダウンシャツはビジネスカジュアルがOKな場では重宝しますが、フォーマルな場での着用には適していません。
結婚式に参加する際はレギュラーカラーやセミワイドカラー、ワイドカラーの衿型を選べば問題ないでしょう。これらの衿型はフォーマルな場に適していて、どのようなスーツでも違和感なく着用できます。
「オシャレ上級者」向けのタブカラーもおすすめです。タブカラーはネクタイの結び目が持ち上がる衿型で、胸元に立体感が出て華やかな印象に映ります。
暑い夏の時期に結婚式に招待されたゲストは半袖のワイシャツを着用したいと考えるかもしれません。しかし、半袖のワイシャツはカジュアルな印象に見えてしまうことから結婚式にはふさわしくありません。また、スーツの袖口からワイシャツが見えないため、全体のスタイリングに違和感が出るのも理由のひとつです。そのため、結婚式に参加する際は季節に関わらず長袖のワイシャツを選びましょう。
結婚式は参列する立場や状況に応じて、ワイシャツの選び方が異なります。親族の結婚式や部下の結婚式、二次会から参加した場合、それぞれの場面に適したワイシャツの着用が求められます。ここでは多様な場面に対応したワイシャツの選び方を解説します。
新郎新婦の父親や兄弟といった親族は招待客を迎える立場のため、式ではもっともフォーマルな装いが求められます。親族側の場合はブラックスーツ(礼服)の着用が一般的で、ブラックスーツはもっとも格式が高く、礼儀正しさを表現する装いです。
続いて、ワイシャツはレギュラーカラーとブロード生地のスタンダードな白無地が最適です。ブラックスーツとの相性も良く、落ち着いた印象を演出できます。なお、父親の場合は正礼装で参列するため、モーニングコートやタキシードを着用することを推奨します。
モーニングコートやタキシードを着用する場合はウイングカラーのワイシャツを着用する場合もあります。ウイングカラーは特徴的な衿がフォーマルな装いを一層引き立て、格式を感じさせるデザインです。
主賓として、たとえば部下の結婚式に参加する場合、主賓としての立場を示す装いでなければなりません。親族よりも格式高い装いは避けた方が良いですが、主賓挨拶をする立場であれば、ゲストのなかでも格式ある服装が求められます。それゆえ、主賓が着用するスーツはブラックスーツ(礼服)またはタキシードが一般的です。
ブラックスーツを選ぶ場合、ワイシャツは白無地のレギュラーカラーがおすすめです。シルバーのネクタイを合わせると華やかさと上品さが加わり、主賓としての存在感を際立たせます。一方、タキシードを着用するときのワイシャツはウイングカラーがおすすめです。ウイングカラーは蝶ネクタイと相性が良く、特別感を引き立てられるため、主賓としての存在感が増します。
二次会は結婚式よりもカジュアルな雰囲気で催されることが多く、ワイシャツ選びも自由度が高まります。ただし、カジュアルとはいえあくまで結婚式の一部のため、あまりにもラフな装いは避けた方が無難でしょう。
仮に「平服でお越しください」と招待されても、ラフな服装に流されないように注意が必要です。その際はダークカラーのスーツやジャケパンスタイルを選ぶことで、適度なフォーマル感の装いになります。
なお、カジュアルな二次会で着用するワイシャツは白以外を選んでも問題ありません。また、ストライプなどの柄ものも選べるため、より自由度の高いコーディネートが可能です。ただし、あくまで結婚式の延長であることを忘れずに、スーツと同様に適度なフォーマル感を保つようにしましょう。
結婚式に参列する際は単純にワイシャツを選ぶだけでなく、着用方法にも注意が必要です。フォーマルな場に適したワイシャツを選ぶだけでは、その魅力を最大限に引き出せません。そこで、以下では結婚式でワイシャツを着用するときに注意する点をいくつか紹介します。
これらのポイントを押さえておくと、華やかな結婚式の場にふさわしい洗練されたコーディネートが完成できるでしょう。
結婚式の招待状は一般的に2~3か月前に届きます。式の当日までにスーツやワイシャツを準備する時間は十分にあるため、ワイシャツの衿や袖周りに汚れや黄ばみがついていないか、清潔な状態かどうか、事前に確認しておきましょう。
結婚式に着用するワイシャツは基本的に白のため、汚れや黄ばみが目立ちやすいです。特に汗や皮脂による黄ばみは清潔感に欠けます。さらに、ワイシャツは汚れだけでなくシワにも注意が必要です。綿素材はシワになりやすく、洗濯後のアイロンがけは必須です。なお、式の直前に新しいワイシャツを購入し、そのまま着用するのは注意が必要です。購入後のワイシャツは「たたみシワ」がついているため、すぐに着用すると余計にシワが目立ってしまいます。式の当日に焦らないように、ワイシャツにアイロンがけをしてシワを取り除いておきましょう。
結婚式でワイシャツを着用する際、インナーの着用は必須です。白や淡色のワイシャツ一枚だけの着用では、肌が透けて見えてしまいます。また、インナーを着用することで汗のベタつきを防ぐ効果も期待できます。
なお、透けて見える色柄のインナーを着用することは避けましょう。特に黒や黄色、赤などの派手な色は白のワイシャツの清潔感を損ねてしまいます。そのため、白やベージュのインナーがおすすめです。
結婚式に参列するときはスーツの中に着用するワイシャツも大切です。そこで、以下では結婚式でワイシャツをオシャレに着こなすポイントを紹介します。
結婚式に参列する際はワイシャツの袖口を彩る「カフスボタン」を取り入れるのもおすすめです。カフスボタンは品格とエレガントさを演出できる装飾品です。そのため、オシャレ上級者の多くが結婚式でカフスボタンを取り入れています。
カフスボタンのコーディネート例として、スーツの色と調和が図りやすい白や黒のカフスボタンがおすすめです。モーニングやタキシード、ディレクターズスーツなどの服装にはシンプルなデザインのカフスボタンが適しています。
カフスボタンは時間帯によって印象が変化する点も大きな特徴です。昼間の結婚式では真珠や白蝶貝を使った白系のカフスボタンが最適で、夜の結婚式では黒系のカフスボタンを用いると華やかな印象に映ります。さらに、二次会などのカジュアルなパーティーでは個性的なデザインのカフスボタンを着用しても良いでしょう。また、披露宴と二次会でカフスボタンを着け替えると印象が変わるため、「オシャレ上級者」として装うことができでしょう。
結婚式はカフスボタンを着用する絶好の機会です。カフスボタンを着用したことがない人でも、ぜひチャレンジしてみてください。
カジュアルウェディングはフォーマルな結婚式とは異なり、ある程度の自由なコーディネートが許される場です。それゆえ、会場の雰囲気や周囲とのバランスに違和感がなければ、自身のスタイルに合わせて色や柄を選ぶことも可能です。
たとえば、パステルカラーを取り入れることで、エレガントさや洗練された雰囲気を演出することもできます。また、カジュアルウェディングでは個性が表現できることから、柄物のワイシャツもおすすめです。
本記事では、結婚式におけるワイシャツ選びのポイントを解説しました。結婚式はフォーマルさが重視され、カジュアルな素材やデザインはNGとされています。そのため、スーツのデザインや色はもちろんワイシャツの選び方が大切です。今回の記事を参考にして、結婚式に華やかさを加える意味でも最適なワイシャツを選び、主役である新郎新婦を祝福してください。