ビジネスシーンでは上下同じ色と素材のスーツを着用することが基本です。しかし近年、ジャケットとパンツ、色の違ったスーツを着る「ジャケパンスタイル」で、オフィスカジュアルのコーディネートを楽しんでいる方も増えています。
今回はスーツを上下色違いで着用する際の注意点や着こなしのポイント、NG場面について解説します。本記事を参考にして、スーツの色の組み合わせを楽しんでください。
ジャケットの生地や柄などの条件が揃えば、スーツを上下色違いで着用することは良いです。ただ、スーツを色違いで着用OKな場合とNGな場合があるので気をつけましょう。たとえば、最近の結婚式の2次会は、カジュアルなファッションでの出席でもOKという場合が多いでしょう。友人の結婚式の2次会など、気のおけない親しい仲間でお祝いする場では、気兼ねなく上下色違いのスーツで参加できます。
オフィスカジュアルを推奨している企業でも、上下色違いのスーツを着用可能です。年々オフィスカジュアルを導入している企業が多くなっています。そのため、上下色違いのスーツで出勤しても問題ありません。
「スーツの上下色違いでオシャレを楽しみたい」という方は多いかもしれませんが、TPOを考えることが大切です。スーツの上下色違いが場にふさわしくなかったり、失礼に当たってしまったりする場合もあるので注意しましょう。ここでは、スーツの上下色違いがNGになるケースをご紹介します。
オフィスカジュアルを推奨していない企業で、上下色違いのスーツを着用することは避けましょう。上下色違いのスーツは、たとえ仕立てや生地がしっかりしていても、どうしてもカジュアルな印象になってしまいます。
職場にはそれぞれドレスコードや服装のルール・マナーがあります。上下同じ色のスーツはフォーマルな装いです。つまり、自身の仕事に対する心構えを装いで表現しているというわけです。そのような社風の会社ではカジュアルな印象の上下色違いのスーツの着用は控えた方が良いでしょう。
初対面の方と会うときや企業へ新規営業に訪れる際は、上下色違いのスーツの着用は注意しましょう。自分よりも相手の方がフォーマルな装いの場合、失礼だと思われる恐れがあります。また、相手の企業がオフィスカジュアルを推奨していないと、「この会社はきちんとしているのかな?」などと思われることもあり、会社全体の信用にもつながります。社外の人と商談するときも、上下色違いのスーツは避けておいた方が無難でしょう。面談相手が重要な取引先の場合は、上下同じ色のスーツで臨みましょう。営業や商談は第一印象が大切になるため、カジュアルな印象に見える上下色違いのスーツはふさわしくありません。社外の人と会うときは、相手に対する信頼や尊敬を示すことが大切です。その気持ちが上下同じ色のスーツに表されています。フォーマルなビジネスの場では、ルールや慣習が重要視されることも多いです。スーツを正しく着こなすことは礼儀正しさの一環です。
上下色違いのスーツを着用する際は、着こなしや組み合わせのバランスが大切です。せっかく上下色違いのスーツを着るのであれば、コーディネートを楽しみたいものです。ここでは、スーツを上下色違いで上手に着こなすためのポイントをご紹介します。
上下の素材感を統一させることで、見た目の印象がまとまります。同じ素材を使えば上下の調和が揃うため、コーディネートにも一体感が生まれるでしょう。悪い例として、ジャケットは春夏用として使われるリネン素材で、パンツは秋冬用のウール素材、という組み合わせは素材だけでなく季節感もちぐはぐになってしまいます。
上下色違いでスーツを着用する際は、柄×柄の組み合わせは避けましょう。ジャケットとパンツのどちらも柄物で合わせてしまうと上下が分解されているような形に見え、良いコーディネートとはいえません。オフィスで着用する場合は、無地 × 無地の組み合わせが無難ではあります。一方、柄物を取り入れたい場合は、ジャケットを柄物にしてパンツを無地にするなど、無地 × 柄で合わせましょう。なお、上下色違いのスーツの着こなしに慣れていない方は、柄が小さめのものを選ぶと組み合わせしやすくなります。
スーツは上下の色の相性を考えることも大切です。ジャケットとパンツを色違いにする場合は、対象色を選びましょう。たとえば、暗めの色のジャケットを選択した場合、パンツは明るめのカラーを選ぶと良いでしょう。対象色で組み合わせることにより上下が調和するだけでなく、お互いを引き立て合ってくれます。その結果、全体的にまとまった印象に見えます。たとえば、フォーマルな場で上下色違いのスーツを着用する場合は、黒もしくはグレー系 ×ライトグレーの組み合わせがおすすめです。カジュアルな場での着こなしは、ブラウンもしくはライトブラウンやチャコール × 黒、もしくはグレー系で分けると良いでしょう。ここでは、おすすめの色の組み合わせをいくつかピックアップしてご紹介します。
コーディネート全体の統一感を考えて、あまり複数の色を入れすぎないこともポイントです。 赤、青、黄のような明るい原色をすべて使ったコーディネートは上級者でも着こなすことが難しいです。着こなしやすいおすすめのカラーは、黒・グレー系の落ち着いた色味です。それ以外の色を取り入れている場合は、すべての色が2~3色でまとまるようにしましょう。
上下違う色のスーツを着用するときは、コーディネートアイテムの色は統一させると良いでしょう。コーディネート初心者でもすぐにできるおすすめコーディネートはシューズとベルトの色を合わせることです。シューズとベルトの色を合わせるだけで見た目の統一感がアップし、おしゃれ感を演出できます。
本記事では上下色が違うスーツを着る際の条件や、NGシーンについて解説しました。近年、オフィスカジュアルの着用を認める企業も多く、上下色違いのスーツを着用するシーンも多くなっています。しかし、上下色違いのスーツがふさわしくない場面や業界もあるため、TPOをわきまえることが大切です。また、上下色違いのスーツを着用する際は全体の統一感に着目しましょう。着こなしのポイントをしっかり理解して、日頃のコーディネートを楽しんでください。