近年、流行の兆しを見せているスーツがクラシックスタイルです。ファッションも時代とともに流行が移り変わるように、スーツの流行も時代と一緒に変化しています。さまざまな特徴があるクラシックスタイルのスーツは、合わせるコーディネートアイテム次第で、多様なコーディネートが楽しめます。
本記事ではクラシックスタイルのスーツの特徴やスーツに合う柄、生地のカラー、コーディネートアイテムの選び方などを解説いたします。
クラシックスタイルのスーツの魅力をご紹介いたします。
クラシックスタイルのスーツとは1930年代のイギリスをイメージしたスーツスタイルを現代版にアレンジしたスーツです。伝統を受け継ぎながら、今の時代に合うような作りになっています。
長めになったスーツの着丈によって、見た目もエレガントな印象になります。また、耐久性に優れた生地で作られており、長く着られるのもクラシックスタイルのスーツの魅力です。
エレガントなクラシックスタイルのスーツはどのような特徴があるのでしょうか。
肩幅がややタイトで、ウエストにかけて絞られたシルエットがクラシックスタイルのスーツの特徴です。細身の方でもクラシックスタイルのスーツを着用すれば、がっちりとした体型の印象になります。体を細く見せるスーツではなく、品格のあるジャケットシルエットを演出するスーツです。
クラシックスタイルのスーツを代表する作りに挙げられるのがビルドアップショルダーです。肩にパッドを入れ、背中や胸にゆとりを持って作られており、肩から胸板にかけて逆三角形のシルエットを強調してくれます。
スリーピーススーツとは同様の生地で作られたジャケット・ベスト・パンツがセットになったスーツを指します。今やクラシックスタイルのスーツの定番になっています。
以前までのスリーピーススーツは古典的なスタイルのイメージが付いていましたが、最近はファッション性の高いスーツとして、若い世代を中心に人気を集めています。ビジネス、結婚式、パーティーといったさまざまな場面で活躍し、その場のマナーに合わせて好きなコーディネートを楽しめます。ベストを着用するスリーピーススーツはジャケットを脱いでもきっちりとした印象となります。
また、ベストをニット素材のものを選んで防寒として着用できるのも魅力です。ベストだけの色を変えて自分好みのスタイルを確立するのもおすすめです。
以前はプリーツの入っていないパンツが人気でしたが、最近はプリーツが入ったパンツが注目を集めています。ウエスト近くにプリーツというひだが入っているパンツは足を長くキレイに見せてくれるメリットがあります。ダボッと見えるパンツではなく、腰まわりにゆとりを持たせてスタイルが良く見えるように作られているため、最近太ってしまってお腹まわりが気になる方でもかっこよくスーツを着こなしたい方にぴったりなスーツです。
プリーツが内側に入っているのを「インプリーツ」、プリーツが外側に入っているのを「アウトプリーツ」といいます。
また、プリーツの数も着こなしなどに合わせ、1本か2本から選べます。1プリーツを選ぶ方は、2プリーツの方がクラシカルすぎ太いパンツになるため、太すぎず適度なパンツのラインを維持したい方が選ぶ傾向があると思います。
2プリーツを選ぶ方は、よりクラシックな着こなしをしたい方やお尻回りから太もも回りまで、リラックスしたラインをとりたい方が好む傾向があります。
プリーツの入り方でもクラシカルで、エレガントな印象を与えてくれるのがクラシックスタイルのスーツの特徴といえるでしょう。
ダブルジャケットは女性の着物のように前身が重なり合うスタイルのジャケットを指します。ご年配の方が着ているイメージが強く、長年シングルタイプのスーツがトレンドだったため、ダブルジャケットに抵抗がある方もいるでしょう。
しかし、最近クラシックスタイルのスーツが注目を集めているため、ダブルジャケットに興味を持つ方も増えています。以前のダブルジャケットはゆったりしたシルエットが特徴でしたが、現代版にアレンジされたダブルジャケットでは適度に身体に合うように作られ、キチンと感のあるエレガントな雰囲気を醸し出してくれます。ダブルジャケットはクラシカルでエレガントな雰囲気を出せるとともに、スーツの伝統的な感性をファッションとして楽しめるのも魅力の1つです。
チェンジポケットとはジャケットのウエストに付いているフロントポケットの上に付く小ポケットで、もともとの由来は小銭やチケットを入れるために作られたクラシカルなディテールの1つです。ただ、現代はポケットで使用するより、あくまでクラシックスタイルのひとつで選ばれています。シンプルなクラシックスタイルのスーツのアクセントとしてイギリス風の装いを演出してくれるため、よりオシャレ感が出ます。
また、チェンジポケットはウエスト部分に付いているため、目線が上にあがります。その結果、ウエストの位置が高く見え、足が長く見える効果が期待できます。カジュアル感が出るのも特徴で、若年層でも着こなせるでしょう。
クラシックスタイルのスーツに合う王道の柄とおすすめのスーツをご紹介します。
ストライプはスーツのなかでも王道といえる柄です。スーツを選ぶ際、悩むことのひとつに柄が挙げられ、堅実な無地を選択する人が多いでしょう。クラシックスタイルを取り入れたい方は、ぜひストライプのスーツを選んでみてください。
ストライプにもいろいろなタイプがあります。たとえば、鉛筆で書いたようなはっきりした線の「ペンシルストライプ」、小さい点がストライプになっている「ピンストライプ」、チョークで書いたようなストライプで太い線の「チョークストライプ」などが王道として挙げられます。
さらにクラシック感を出したい方は、ストライプの幅が10㎜と広めな「バンカーストライプ」がおすすめで、ロンドンの銀行員が好んで着ていた柄です。
クラシック感をより演出してくれる柄としてチェック柄も代表的です。気取らない雰囲気を出してくれるチェック柄ですが、柄のタイプによって仕事にも着ていけるスーツもあります。また、ジャケットだけを他の服と合わせてコーディネートすると、よりファッション性を楽しむことができます。
ストライプと同じように、チェック柄もさまざまなタイプがあります。クラシックスタイルのスーツに合う王道の柄としておすすめなのは、イギリスに昔からある柄で窓枠が並んだような「ウィンドウペンチェック」、千鳥格子や細い線などを組み合わせた「グレンチェック」が挙げられます。
チェック柄のスーツを着用すると、マンネリ化しやすいスーツスタイルに自分らしさを出してくれたり、他の人と違うスーツスタイルを楽しめたりします。着るだけで華やかな印象になるチェック柄は、一着は持っておきたいスーツといえます。
スーツにもいろいろなカラーがあります。クラシックスタイルのスーツで多く選ばれているのは、濃いグレー、ブラウン、ベージュなどの落ち着きのあるカラーです。ビジネスで着用するならグレーが取り入れやすいですが、ブラウンやベージュを取り入れると物腰が柔らかそうな印象となり、よりエレガントな雰囲気となります。
さらにクラシック感を出したい方は明るいネイビーといったカラーを選ぶとオシャレな装いになります。
このように、クラシックスタイルのスーツを選ぶ際は着用するシーンなどを考慮し、カラーにこだわって選んでみましょう。
クラシックスタイルのスーツに合うコーディネートアイテムをご紹介します。
クラシックスタイルをより引き立たせるため、ワイシャツ選びも大切です。クラシックスタイルに合わせ、衿の形を変えるといった工夫が必要です。
たとえば、すっきりとした印象と立体感が生まれるのが「タブカラーシャツ」です。ネクタイを締めると立体感が生まれ、Vゾーンもオシャレになります。
また、現在はクールビズを取り入れる企業が多いですが、クラシックスタイルのスーツではネクタイを付けるのが基本となっています。そのため、衿先が丸くなっている「ラウンドカラーシャツ」やネクタイと相性が良い「セミワイドカラーシャツ」がクラシックスタイルのスーツと相性が良いといえます。
クラシックスタイルのスーツに似合うネクタイを選ぶコツはスーツのラペル幅に合うネクタイ幅にすることです。スーツのラペルとはスーツのジャケットの上衿を折り返した部分を指します。クラシックスタイルのスーツのラペルは広めの幅が人気を集めており、それに合わせてネクタイ幅も広めのものを選ぶと統一感が増して、さらにオシャレに見えます。
ネクタイを選んだら鏡の前で全身を確認し、選んだネクタイがスーツに合っているかを客観的に見てみましょう。
クラシックスタイルのスーツに合わせるシューズもクラシック感があるタイプを選ぶのがおすすめです。重厚感と存在感があるシューズを選び、クラシックスタイルを引き立たせましょう。
シューズを選ぶ際、最も悩むのが色です。イギリスで主流なのは黒のシューズ、イタリアではブラウン系のシューズを履く人が多い傾向があります。日本の場合は無難な黒のシューズ、もしくはブラウン系のシューズがほとんどです。
クラシックスタイルのスーツはゆったりとしたシルエットでご年配の方が着用しているイメージですが、現代版にアレンジされたクラシックスタイルのスーツはファッション性が高く、若い世代にも人気になっています。ストライプやチェックといった王道の柄にバランスの良いコーディネートアイテムを合わせ、自分なりのクラシックスタイルを作り上げてみてはいかがでしょうか。