スーツを着用する頻度が高い方の中にはストライプのスーツを着用してみたいと考えている方も多いでしょう。ストライプのスーツは華やかさや、上品さ、スタイリッシュな印象を持ち、コーディネートや線のデザインによって幅広しシーンで着回しを楽しんで頂くことができます。
しかし、状況次第によってはストライプのスーツが好ましくないケースも存在します。相手に好印象を持たれるためには、デザインが与える印象や理想的な着用シーンを知っておくことが大切です。
ストライプスーツはビジネスウェアの王道ともいわれ、その規則正しい縦線の柄は知的で誠実な印象を持つことから、多くのビジネスパーソンに選ばれています。ストライプ柄にはさまざまな種類があり、その太さや間隔によって印象が大きく変わります。
そもそもストライプ柄とは縦縞や横縞、あるいは斜めの平行模様が入った柄のことを指します。日本では横縞のことをボーダーとも呼びますが、縞模様全体をストライプ柄と呼ぶのが一般的です。このストライプ柄は爽やかな雰囲気や華やかさを持ちつつ、ビジネスシーンにも適した上品さを備えています。無地のスーツと同様に汎用性があり、Vゾーンのコーディネートによってはビジネスからパーティーまで幅広く着用できます。
ストライプ柄にはいくつかの種類があり、ストライプスーツを選ぶ際には柄の種類や太さ、間隔を考慮しましょう。相手に与えたい印象やシーンに応じたストライプ柄を選ぶことで、より一層の魅力を引き出せるでしょう。
ストライプスーツはその柄の幅によって異なる印象を与えます。細かいストライプから太いものまで多様な種類がありますが、適切なストライプスーツを選ぶことで、さまざまなシーンでのファッションを楽しめます。
細いストライプ、特にピンストライプと呼ばれるものは間隔が狭いものが多く、ストライプの中でもスマートな印象を与えます。このようなデザインは誠実さや若々しさ、繊細なイメージを強調できるといわれており、若手のビジネスマンや新入社員におすすめです。たとえば、新しい職場での初日や新しいプロジェクトのプレゼンテーションなど、印象を良くしたい場面などにおいて活躍が見込めます。
幅が細いストライプの代表的なデザインとしては、次のようなものがあります。
●シャドーストライプ
●ピンストライプ
ストライプスーツはそのラインの太さや間隔によって、異なる印象を与えます。特に太めのストライプは華やかさや力強さ、信頼感やリーダーシップといった印象を与える特徴があります。30代〜40代の中堅クラスや役職に就いた人におすすめのデザインです。
幅が太めのストライプの代表的なデザインとしては、次のようなものがあります。
●ペンシルストライプ
●チョークストライプ
このように、ストライプの幅によって相手に与える印象やスーツが演出する雰囲気が異なります。どのようなシーンで着用し、どのような印象を与えたいのかを考慮して選ぶと良いでしょう。
ストライプスーツはその柄によって相手にさまざまな印象を与えます。ここでは、主なストライプスーツの種類とその特徴を紹介します。
ピンストライプは「針の頭」を思わせるような細かい点が連続して並ぶ縞模様を指します。この模様は紺系や青系の生地に多く使用され、ペンシルストライプなどと比較するとピンストライプはさらに細く、非常に上品です。
ピンストライプはビジネスシーンでの使用が一般的で、フォーマルな場ではその上品さが好まれることが多いです。細かい縞模様は遠目から見るとほとんど無地に見えることもあるため、初めてストライプスーツを選ぶ方にも取り入れやすいデザインといえるでしょう。
シャドーストライプは縞模様の一つで、その名の通り「影」のような縞が特徴です。主要なストライプの隣に、より薄く、または色が異なる細いストライプが配置されているデザインで、この二重のストライプが、まるで影を落としているかのような視覚的な効果を生み出します。
シャドーストライプは他のストライプと比べるとより落ち着いた印象を与えます。ビジネスの場での品格や信頼感を演出するのに良いでしょう。重要な会議や上司とのミーティングなどのフォーマルな場面での着用にもおすすめです。シャドーストライプのスーツは着る人のプロフェッショナルな姿勢や誠実さを強調してくれます。
また、シャドーストライプはその繊細なデザインから、洗練された雰囲気を引き立てます。初めてストライプスーツを選ぶ方でもシャドーストライプは取り入れやすいデザインです。シンプルながらも一味違った印象を与えられるのがシャドーストライプの魅力です。
ペンシルストライプは鉛筆で引いたラインのようにはっきりとしたストライプの柄です。このペンシルストライプはスタイリッシュさと共にカジュアルな印象を与えます。太めのラインが力強い印象を生み出すため、エネルギーを感じさせるコーディネートに適しているでしょう。
たとえば、ビジネスシーンでのプレゼンテーションやカジュアルな場での飲み会など、少し目立ちたいときにペンシルストライプのスーツを選ぶと、他の人とは一味違った印象を与えられます。ただし、あまりにも太いストライプは着用シーンによっては浮いてしまう可能性もあるため、TPOを考慮して着用することが大切です。
チョークストライプはチョークで縦線を引いたような縞模様を持つ太さのあるストライプです。このストライプは秋冬のスーツやフランネル素材との組み合わせが多く見られます。素材感と柄モノの両方にこだわりたい方には、チョークストライプがおすすめです。
このストライプの特徴は太さのあるストライプが持つ力強さとエレガントな印象です。チョークストライプは他のストライプと比べても、その独特の模様が他の服装やアクセサリーとの組み合わせによって、さまざまな表情を映し出すでしょう。
オルタネートストライプは2つの異なる縞が交互に配される縞模様を指します。この特徴的な模様は異なる色や太さの組み合わせによってさまざまな雰囲気を演出できるでしょう。たとえば、白地に赤・ブルーのストライプや青地にイエロー・紺のストライプなどがあります。グレースーツに色のあるストライプを取り入れれば、明るい雰囲気を演出できるでしょう。オルタネートストライプ特有の交互の柄はシンプルなストライプ柄よりも立体感があり、その独特のデザインが多くの人々から愛されています。
ヘリンボーンは「ニシンの骨」が名前の由来とされており、独特の織り柄が特徴です。魚の骨のような形をしており、その特徴的なデザインは人気があります。白黒の模様で織られた暖かみのある生地や、同じ色の糸で細部を折り上げ光沢感が特徴のヘリンボーン柄がスーツの生地として多く用いられます。
織り方に特徴のあるヘリンボーン柄は耐久性が高く、柔軟性にも優れていることから、シワになりにくいことが魅力です。また、シワができてもスチームを当てて伸ばせば簡単にシワが取れるという特徴も備えています。このような特性から特別なシーンだけでなく、普段使いのスーツとしても着用できます。
ストライプスーツはビジネスの場でのファッションとして人気がありますが、就職活動、特に面接での着用には注意が必要です。ここでは、ストライプスーツを就活で着用する際の注意点やNGな理由を紹介します。
●柄が無い方が無難とされている
就職活動のスーツは柄が無い方が無難とされています。
●身だしなみが重要
スーツの柄にこだわるより、清潔感のある身だしなみの方が重要です。
以上の理由から、就職活動でストライプのスーツを着用する場合は慎重になることをおすすめします。
ストライプスーツはビジネスシーンやフォーマルな場などで着用されることが多いです。ここではストライプスーツのおすすめの着用シーンについて紹介します。
結婚式に参列する場合、新郎新婦よりも目立たない服装での参列を意識する必要があります。一般的に結婚式では無地のブラックスーツが推奨されていますが、近年ではカジュアルな雰囲気の会場での結婚式も増えてきており、ネイビーやグレーのダーク系のスーツも許容されています。ストライプスーツの中でもスマートな印象を与えるピンストライプやシャドーストライプがおすすめです。
特にシャドーストライプは光の当たり方によって表情が変わるのでオシャレな印象を与えられますが、ストライプのコントラストが強いものや、ライン色の主張が強いものは避けるようにしましょう。
ビジネスシーンではストライプスーツは非常に人気です。ダーク系のシャドーストライプはビジネスシーンで着用されることが多く、遠くから見ると目立たないため、無地のスーツよりもオシャレな印象を与えられるでしょう。ただし、業界によってはオシャレよりもマナーの方に注意することが必要な場合もあります。
ストライプスーツを着る際の基本はVゾーンを意識することです。Vゾーンとはワイシャツの衿元やネクタイ、ベストなど、胸元のV字型のエリアを指します。このエリアは他人の視線が集まりやすく、コーディネートのアクセントとしても重要な役割を果たします。ストライプスーツを着る際はこのVゾーンを中心にシンプルで統一感のあるコーディネートを心がけることで、全体のバランスを取ることができるでしょう。
ストライプスーツの着こなしポイントは柄もののアイテムを増やしすぎないことです。具体的にはネクタイと合わせて柄は2つ程度までが理想です。柄の多用は上級者向けであり、初心者の方が挑戦するには難易度が高いといえるでしょう。
たとえば、ストライプスーツにドット柄のシャツ、さらにペイズリー柄のネクタイを合わせると、柄が多すぎて全体のバランスが崩れてしまいます。このように、ストライプスーツを基調としたコーディネートでは柄のアイテムは控えめにすることをおすすめします。
色のバランスはデザインやファッションの世界において重要です。色の選び方や組み合わせ方は全体の印象を大きく左右します。しかし、色の組み合わせは無限であり、どの色をどのように組み合わせるかをイメージするのは難しいと感じる人も多いでしょう。
色の組み合わせには基本的なルールが存在します。そのひとつが、トータルの色使いを3色までにまとめるというものです。3色までにまとめることで視覚的な混乱を避けられます。多くの色を使用すると情報の伝達が難しくなってしまうため、3色以内に絞ることでそれぞれの色が持つ役割や意味を明確にできるでしょう。
ストライプスーツを着用する際、ワイシャツは無地か淡色を選ぶとよいでしょう。ストライプスーツ自体が柄物であるため、ワイシャツも柄物を選ぶと全体のバランスが崩れ、派手すぎる印象を与えてしまう可能性があります。無地のワイシャツを選ぶことで、スーツのストライプ柄が引き立ち、すっきりとした印象を与えられるでしょう。特に白やライトブルーのシャツは清潔感があり、ビジネスシーンでの利用にも適しています。
たとえば、ビジネスの場で紺色のストライプスーツを着用する際は、白の無地シャツを合わせると落ち着いた印象を与えられます。カジュアルな場ではライトブルーの無地シャツを選ぶことで、より爽やかな雰囲気を演出できるでしょう。
このように、ストライプスーツをオシャレに着こなすためにはワイシャツの選び方が鍵となります。無地や淡色のシャツを選ぶことで全体のバランスを保ちつつ、スーツの魅力を最大限に引き出せるでしょう。
同系色とは色のトーンが近い色を組み合わせることを指します。たとえば、ネイビーのストライプスーツには淡いブルーのシャツやネイビーのネクタイを合わせると全体のバランスが取りやすくなります。このように、同系色でコーディネートすることで、初心者でも失敗しにくいオシャレな着こなしができます。
本記事ではストライプスーツの特徴について具体的に解説しました。ひと言でストライプスーツといっても実はさまざまな線の種類があり、線の幅やデザインによって相手に与える印象が大きく異なります。
ストライプスーツは誠実な印象を与えることもあれば、状況次第で失礼な印象を与えてしまうこともあります。そのデザインの選択と着用シーンには慎重な判断が求められるといえるでしょう。ストライプスーツの特徴を良く理解したうえで、着こなしぜひ楽しんでください。