スーツのボタンの留め方を解説!ボタンの数別ルールも

23.11.03

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スーツのボタンの留め方を解説!ボタンの数別ルールも

ビジネスやフォーマルなシーンにおいて着用されることの多いスーツですが、そのボタンの数やスタイルはさまざまです。一見して同じように見えるスーツでも、ボタンの数によって留めるべきボタンが異なります。
ボタンの留め方に関するルールやマナーを把握していない場合、面接や商談などのフォーマルなシーンにおいて、マナーについての知識が不足している人と思われてしまう可能性もあります。
自分が着用しているスーツについて、どのようなシーンでどのボタンを留めるべきかを把握しておくことは、スーツを着こなし相手に好印象を与えるための重要なポイントといえます。
そこで本記事では、スーツのスタイルごとに、ボタンの留め方の基本について解説をします。さらに、スーツのボタンの数によって異なるマナーについても解説していきます。本記事を読むことで、自分の着用しているスーツではどこのボタンを留めるべきかが簡単にわかります。ぜひ参考にしてください。

1.スーツのボタンの留め方のルール

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スーツを着る際のボタンの留め方には、実は一定のマナーやルールが存在します。これらのルールは、スーツの美しいシルエットを保つための合理的な理由や、歴史的背景があるとされています。この章ではそのマナーやルールについて説明します。

1-1.アンボタンマナーについて

「アンボタンマナー」という言葉をはじめて聞く方も少なくないでしょう。アンボタンマナーとは、スーツのジャケットのボタンの留め方に関する基本的なマナーを指します。具体的には「一番下のボタンは留めない」というもので、このルールはシングルジャケットやダブルジャケットなど、さまざまなジャケットのタイプに適用されます。では、なぜこのようなルールが存在するのでしょうか。
「一番下のボタンは留めない」の起源といわれているのは、1900年代のイギリス国王に由来するという説です。かつての王様が太ってしまい、ジャケットの一番下のボタンを留めることができなくなったという話が伝えられています。王様の配下の者たちは、国王に恥をかかせないためにこれを真似る形で、ジャケットの一番下のボタンを外したといわれています。これをルーツに一番下のボタンを留めないスタイルが流行し、現代に至るまでそのマナーが受け継がれています。
これはあくまでいくつかある諸説のひとつですが、実用的な面からも一番下のボタンを開けた方がよい合理的な理由があります。たとえば、シングルジャケットの2つボタンの場合、一番下のボタンを留めるとジャケットのシルエットが乱れやすく、動きにくくなってしまうため、上のボタンだけを留めます。
美しいシルエットを保つためにも、一番下のボタンは留めないほうが理にかなっているといえるでしょう。

1-2.座った際にはボタンを外す

椅子に座るときにジャケットのボタンを外す理由には、スーツの寿命を延ばす意味が含まれています。ボタンを留めたまま座ると、ジャケットが引っ張られて生地が伸びたり、シワができたりするリスクが高まります。
また、スーツのマナーは相手に対する礼儀としての側面も備えており、ビジネスやフォーマルな場面での相手への敬意を示す手段のひとつです。特にビジネスの場では、細部にまで気を配ることが相手に対する尊重の表れといえるでしょう。
スーツを着る機会が多い方は基本的なマナーを守ることで、相手に信頼感や安心感を与えられます。

2.スーツのボタン数別・留め方のルール

スーツのボタンのマナーは、スーツの歴史やデザインの変遷に基づいています。たとえば、スーツの原型がイギリスで生まれたとき、ボタンはジャケットの装飾品としての役割が大部分を占めていました。しかし、年月を経てスーツのデザインやボタンの配置が進化し、現在のボタンの留め方のルールが確立されました。

2-1.1つボタンの場合

1つボタンのスーツは、洗練されたデザインから特別にフォーマルなシーンでの着用が推奨されることが多いです。たとえば、1つボタンのスーツとして代表的なタキシードは、ウエディングや特定の正式なイベントで着用されます。
このスタイルのスーツはボタンが1つしかないため、ジャケットのラインを維持するためにボタンを留めるのが一般的です。特に正式な場面では整った印象を維持するためにも、ボタンをしっかりと留めましょう。

2-2.2つボタンの場合

2つボタンのスーツは、現代のビジネスシーンで最もポピュラーなデザインといえるでしょう。その汎用性とシャープなデザインから、2つボタンのスーツは多くのビジネスパーソンに愛用されています。

シングルスーツ

2つボタンのシングルスーツは、ビジネスシーンでよく目にするスタイルのひとつです。このスタイルでは、上のボタンを留めて下のボタンを開けるのが一般的です。上のボタンを閉じることでV字のラインが際立ち、スマートなシルエットを強調します。また、デスクワークや作業をする際には下のボタンを開ければ動きを制限せず、快適に過ごせるでしょう。

ダブルスーツ

2つボタンのダブルスーツは、よりフォーマルな印象を持つスタイルです。ダブルスーツは堅実で品のある印象を与えるため、重要な商談やフォーマルな場において好んで着用する人が多いです。ダブルスーツでは、2つのボタンを常に閉じておくのがマナーとされています。

ボタンが高い位置に横並びで配置されているため、下のボタンを開けてしまうとジャケットが不自然に開いてしまい、だらしない印象を与えてしまう可能性があります。

2-3.3つボタンの場合

3つボタンのスーツはビジネスシーンでよく見られるもので、その留め方には特定のマナーが存在します。

衿下にボタンが配置しているジャケット

このタイプのジャケットでは、上2つのボタンを閉じ、一番下のボタンを開けるのが一般的なマナーです。このルールはジャケットの動きやシルエットを美しく見せるためのものです。特に立っているときや歩いているときにこのマナーを意識するとスーツが自然な形で身体にフィットし、スマートな印象を演出できるでしょう。

下衿の裏にボタンが配置しているジャケット

このタイプのジャケットにおいては、上と下のボタンは留めずに中央のボタンのみを留めるのが一般的です。一番上のボタンは装飾的な役割を果たしているため、実際には閉じる必要はありません。このスタイルは胸元の拘束が少なく、ガッチリした体型の方や体を鍛えていて胸板が厚い方などにおすすめです。
3つボタンのジャケットの伝統的な留め方に「sometimes(時々)、 always(常に)、 never(決してない)」というルールがあります。具体的には、立っているときは上のボタンをオプションで時々留める、中央のボタンは常に留め、下のボタンは決して留めないというものです。
一部の3つボタンのジャケットでは、「段返り3つボタン」という上のボタンがラペルの裏に隠れているデザインがあります。上のボタンを留めるとラペルの自然な折り目に干渉するため、留めない方がよいとされていることも覚えておきましょう。

2-4.4つボタンの場合

多くの人々がスーツのボタンというと、2つや3つのボタンを思い浮かべることが多い中、4つボタンのスーツは独特の魅力と格式を持っています。このスタイルは身長の高い方や、独自のファッションを楽しみたい方に選ばれることが多いです。ここでは、4つボタンのスーツを正しく着こなすためのポイントをシングルスーツとダブルスーツの2つの観点から詳しく解説します。

シングルスーツ

シングルスーツに4つのボタンが配置されているデザインは伝統的なスタイルとは異なる独自のエレガントさを持っています。最下部のボタンは留めずに上から3つのボタンのみを留めるとスーツのシルエットが引き締まり、洗練された印象を与えられます。
4つのボタンが縦に配置されていることは、そのスーツが持つフォーマルさや格式の象徴ともいえます。ビジネスの場面でのプレゼンテーションや重要な会議など、自分の存在感を前面に出したいときの着用がおすすめです。4つのボタンのスーツはリーダーシップを持つビジネスパーソンや特定の業界での権威を持つ人に好まれることが多いです。

ダブルスーツ

ダブルスーツにおいても、ボタンが4つの場合の留め方はボタンの配置によって異なります。

  • 直線ライン

ボタンが縦に一直線に並んでいる場合、通常はすべてのボタンを閉じて着用します。このスタイルはボタンが直線に並んでいることで、フォーマルで整った印象を与えます。

  • V字ライン

ボタンがV字状に配置されている場合、下部のボタンのみを閉じるのが一般的です。このスタイルはV字の形状がダイナミックな印象を与え、スーツのシルエットを美しく見せる効果があります。

2-5.6つボタンの場合

6つボタンのスーツはダブルジャケットでのデザインが一般的です。ダブルジャケットとはその名のとおり、前部が二重になっているジャケットを指します。このスタイルは軍服が起源とされており、余分な生地が見えにくく、きちんとした印象を与えられるのが特徴です。特に6つボタンのダブルジャケットはボタンの配置によって異なる印象を持ちます。ここではボタンの配置による留め方の違いを解説します。

Y字ラインのボタン

Y字ラインのボタン配置はボタンが上部で分岐している形状をしています。この場合、通常は中央のボタンを留めるのが基本です。上部のボタンは装飾的な要素としての役割が強いため、留める必要はありません。

V字ラインのボタン

V字ラインのボタン配置ではボタンがV字状に配置されています。この場合、真ん中のボタンと下のボタンを留めるのが一般的です。一番下のボタンだけを留め、Vゾーンを広くみせることで、力強い印象を与えることを意図したスタイルもあります。

直線ラインのボタン

直線ラインのボタン配置ではボタンが一直線に並んでいます。直線ラインでは真ん中のボタンを留めるのが基本的なルールです。また、真ん中と下のボタンを留めるスタイルも一般的です。
6x2のスタイルは、6つのボタンのうち2つだけを留めるスタイルを指し、このスタイルは多くの男性にとって最もフィット感が良いとされています。一方で、4x1や4x2のようなスタイルも存在し、これらはボタンの数や配置によって異なる特徴を持っています。

3.【シーン別】スーツのボタンの留め方ルールを解説

スーツのボタンの留め方は、その場の雰囲気やシーンによって変わることがあります。特に、リクルートスーツを着用する場合や冠婚葬祭などの特定のシーンでは、適切なボタンの留め方が求められます。ここでは、それぞれのシーンにおけるボタンの留め方のルールを解説します。

3-1.リクルートスーツの場合

リクルートスーツは就職活動や面接などのビジネスシーンでの第一印象を左右する重要なアイテムです。そのため、マナーとして正しくボタンを留めることが求められます。リクルートスーツではシングルの2つボタンが一般的で、基本的には上から1つ目のボタンを留め、2つ目のボタンは外しておくのがマナーとされています。

3-2.冠婚葬祭の場合

冠婚葬祭は人生の大切な節目となる場面であり、その場の雰囲気やマナーを重視することが大切です。結婚式や葬式などの場では、適切なボタンの留め方が求められます。
結婚式や披露宴ではタキシードやブラックスーツを着用する場合が多いですが、タキシードの場合、ボタンは基本的に閉じて着用します。椅子に座るときやベストを着用するときのボタンマナーもビジネススーツのジャケットを着用する際と変わりません。座るときにはボタンを外し、ベストを着用するときはボタンを外しても構いません。
お葬式などで喪服としてブラックスーツを着用する場合も少なくありません。この場合のボタンの留め方はお祝いの席と同様です。シングルスーツの場合は一番下のボタンを外します。椅子に座る際は通常のボタンマナーと同じくボタンをすべて開けます。
ベストを着用しているときはジャケットのボタンをすべて外しても問題ありません。ダブルスーツの場合には基本的にすべてのボタンを留めて着用した方が良いでしょう。座る際にも外さないでおきましょう。
ベストを着ていてもダブルのジャケットを着用しているときはだらしなく見えてしまうことから、ボタンを外さないことをおすすめします。

スリーピースベストのルールも同様

スリーピースのベストを着用する際のボタンの留め方には歴史的な背景があります。かつての英国の紳士たちは馬に乗る際にベストの最下部のボタンを外すことで、乗馬時の動きをスムーズにしていました。この習慣が現代にも受け継がれており、ベストの一番下のボタンを外すことが一般的なマナーとなっています。
また、ベストのボタンをすべて留めると、座った際や動いたときにベストが体にフィットしづらくなることがあるため、一番下のボタンを外すことで動きやすさを確保しつつ、ベストの美しいシルエットを維持できます。このように、ファッションには機能性と美しさのバランスが求められることが多く、ベストのボタンの留め方もその一例といえるでしょう。

 

4.スーツの袖ボタンの意味は?

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スーツのジャケットの袖にはボタンがついていますが、現在は装飾としての意味合いが強く、その存在意義や背景には興味深いエピソードが隠されています。ここまではスーツのフロントボタンについて解説しましたが、ここからは袖ボタンの意味について解説します。

4-1.スーツの袖ボタンの数について

現代では袖ボタンは主に装飾的な役割を果たしていますが、その背景には歴史的な背景があり、その起源には2つの代表的な説があります。ひとつは「袖で鼻水を拭かないため」という説です。ナポレオンがロシア帝国に侵攻する際、隊員たちが鼻水をジャケットの袖で拭いていたとされており、これを防ぐために、袖に金属のボタンをつけることになったとされています。
もうひとつは「医師が袖まくりをできるようにするため」という説です。医師がジャケットを羽織ったまま診察ができるように、袖まくりができるように袖ボタンがつけられたとされています。
袖のボタンの数に関しては3個か4個が基本で、イングランドでは4個、スコットランドでは3個というように、数によって出身地を表すものとして使われていたといわれています。しかし、日本にはそのような文化はなく、袖ボタンの数に正解はありません。

4-2.スーツの袖ボタンの仕様について

袖ボタンの仕様にはボタンの並び方や開閉の有無によって、いくつかの種類があります。主なものとして「並びつけボタン」「重ねボタン」「開き見せ」「本切羽」などがあります。それぞれ特徴があり、選ぶ際のポイントや注意点も異なります。

4-3.並べボタンと飾りボタン

「並びつけボタン」はボタンとボタンが重ならないように横に一列で並べてつけます。「重ねボタン」は、ボタンの一部が重なるように並んでいる仕様で、イタリアのスーツ職人が仕立ての技術を周囲にアピールするために誕生したといわれています。袖ボタンの仕様は多岐にわたり、それぞれの特徴や背景を知ることで、スーツ選びの幅が広がります。

まとめ

スーツはビジネスやフォーマルな場でのドレスコードとして不可欠なアイテムですが、その着こなしにはさまざまなルールやマナーが存在します。特にスーツのボタンの留め方は、その人のファッションセンスやマナーを示す重要なポイントです。
立っているときはボタンを留め、座るときは外すというスーツの基本的なボタンの留め方のルールである「アンボタンマナー」をはじめ、ボタンの数や配置によって留め方のルールは異なります。
1つボタンから6つボタンまで、それぞれのスーツには独自の留め方のマナーが存在するため、さまざまなスタイルに合わせて適切な留め方を選ぶことが求められます。
また、スーツの袖ボタンにも独自の意味や背景があることを解説しました。装飾としての役割が大きい袖ボタンですが、その数や配置には歴史的な背景やマナーが隠されています。
スーツのボタンの留め方や選び方はその人の個性やセンスを表現する大切な要素です。適切なマナーを守りながら自分らしいスタイルを楽しむことで、スーツの魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。

この記事を書いた人
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2006年に株式会社コナカに入社。2013年からコナカの店長として神奈川県の店舗を中心に7年間勤務。2020年から商品部に配属し、スーツセレクトのワイシャツ、ネクタイ、シューズのディストリビューターを経験し、現在はアクセサリー、シューズ、アンダーのバイヤーを担当。自社ブランドのコンセプトを熟知した上で、トレンドや時流に乗っている商品の情報を収集し、試行錯誤を繰り返しながら商品を企画しています。また、コーディネートした際の全体の連動性が非常に重要となる為、他アイテム担当のバイヤーとは必ず情報交換を行い、ベクトルの方向を常に意識しています。