クールビズ中の服装は?ビジネスパーソンが気をつけるべきポイント・おすすめアイテムを紹介

24.04.15

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クールビズ中の服装は?ビジネスパーソンが気をつけるべきポイント・おすすめアイテムを紹介

夏の時期、多くのビジネスパーソンの脳裏には「クールビズの服装をどうするべきか」といった問いが浮かんでいるかもしれません。クールビズの服装選びは簡単ではありません。どのような装いが適切なのか、シーン別でどのように変化するのかなど、正しい理解がなければビジネスマナーから外れてしまうでしょう。

そこで、この記事ではクールビズの基本ルールからビジネスパーソンが注意すべきポイントまで幅広く解説します。本記事の内容を読めば、クールビズについて情報収集できるとともに、ビジネスシーンで適切な衣服の選択が可能になります。現在、クールビズの服装で悩んでいる方には必見の内容です。ぜひ、最後まで記事をご覧ください。

1.クールビズ(COOL BIZ)とは?

クールビズとは、「cool」(涼しい)と「business」(仕事)の2つの英語から派生した新語です。クールビズは2005年に日本の環境省から提唱された新しいビジネススタイルを指します。 この新しいスタイルはビジネスパーソンの慣習を変えるもので、その目的は地球環境の保護と労働者の快適さを確保することでした。

クールビズ提唱の背景には、夏季のオフィス環境の問題が深く関わっています。2005年以前の日本では、気温が30度を超える真夏日でもネクタイの着用が必須とされていました。これはビジネスマナーを遵守する日本の風潮によるもので、その反動でどの企業も冷房を使いすぎるなどの問題が生じていました。

さらに、電力消費によるCO2排出量は地球温暖化の一因となっており、その削減は緊急の課題として取り上げられるようになります。こうした点から「クールビズ」は環境保全とビジネスパーソンの労働環境の改善を主として発足しました。

1-1.クールビズの基本的な服装のルール

クールビズの基本的な服装のルールは「ノーネクタイ・ノージャケット」です。これは労働者の快適さを確保し、冷房の過度な使用を減らすための措置です。具体的には環境省が定めた服装の可否のルールに従い、ビジネスパーソンはクールビズの服装を選びます。

また、クールビズにはさらに進化した「スーパークールビズ」もあります。こちらは、2011年の東日本大震災後に始まった新たな取り組みです。震災の影響により電力供給が不安定となり、より大きな節電対策として導入されました。

通常のクールビズとの大きな違いは、さらにカジュアルな服装が許容されるようになった点です。たとえば、ポロシャツ・アロハシャツなど、よりラフなアイテムが許可されています。環境省が定めたクールビズの服装については、以下の表をご覧ください。

  クールビズ スーパークールビズ ※6月1日開始
ネクタイ
ジャケット
半袖シャツ
かりゆしシャツ
ポロシャツ ×
アロハシャツ ×
Tシャツ ×
ランニングシャツ × ×
チノパン (◯)
ジーパン ×
半ズボン × ×
スニーカー ×
ビーチサンダル ×

参照元:環境省におけるクールビズの服装の可否
○・・・可能 ※(○)可能、ただし未徹底 
△・・・節度ある着用であれば可能
×・・・不可

このように、クールビズの基本的な服装のルールは、ビジネスパーソンが夏季におけるビジネスマナーを遵守し、同時に環境保全に貢献するための重要な指針です。クールビズのルールのもと、適切に適用することでご自身の快適さを確保しながら、地球環境対策の一助となります。

また、スーパークールビズはクールビズをさらに「ラフ」にした服装が可能になり、ビジネスパーソンのスタイルの自由度が向上しました。しかし、TPOに応じた節度ある服装でなければ、企業のイメージダウンにもつながるため注意が必要です。

2.クールビズの期間は?

クールビズは発足当初、6月から9月末までの4か月間が対象期間とされていました。しかし、2011年の東日本大震災以降、日本全国で電力供給に大きな問題が生じたため、実施期間を5月から9月末までの期間に変更した経緯があります。

なお、2021年以降は環境省からクールビズの公式な呼びかけは廃止されています。これは、クールビズが日本の社会慣習として十分に定着したと判断されたためです。現在のクールビズは実施期間から服装の選択など、細かいルールは各企業の判断に委ねられています。

注意点として、クールビズが始まるギリギリで準備をすると、衣服が売り切れていたり、適用サイズの在庫がなかったりするかもしれません。そのため、クールビズ用の服装を事前に準備しておくと安心です。

具体的には、4月中旬から下旬には夏用のビジネスカジュアルな服装を準備しておくと良いでしょう。これにより、気温が急に上昇したときでも適切な服装で仕事に臨めます。

3.クールビズの服装で気をつけるべきポイント

クールビズはビジネス環境に違和感を与えないよう、配慮すべき点がいくつかあります。ここでは「クールビズ」の服装で押さえておくべきポイントを4点説明します。

3-1.会社のルール・オフィスの雰囲気に合わせる

各企業は基本的に業界・ブランドイメージ・オフィスの雰囲気に合わせた服装のルールを設けています。したがって、クールビズの服装も自社で定められているルールに従う方が良いでしょう。

たとえば、金融業界などではフォーマルな雰囲気が求められるため、ノーネクタイ・ノージャケットでもワイシャツとスラックスの組み合わせが基本です。一方、IT企業などはカジュアルな雰囲気が許容されていることが多く、ポロシャツやカジュアルなパンツも選択肢に入ります。

ただし、自社のルールが明確でない場合やクールビズ初心者の方は、環境省が定める基本的なルールを目安にするとよいでしょう。

3-2.清潔感のある服装を心がける

ビジネスシーンでは、清潔感のある服装が求められます。自身のプロフェッショナルさを示すため、取引先や顧客に対する敬意を示すためであり、具体的にはワイシャツはアイロンをかけシワをなくします。

靴は汚れがないかを確認して、必要であれば磨くことも重要です。また、汗ジミが出ないようなインナーや消臭スプレーを用意するのも良いでしょう。以上の点から、相手が不快感にならないように気を付けるためにも、清潔感を重視した服装を心がけましょう。

3-3.ラフ過ぎる服装はNG!TPOに合わせる

クールビズの服装はラフすぎると、ビジネスシーンで不適切な印象を与えかねません。したがって、TPO(Time・Place・ Occasion)に合わせた服装選びが重要です。例をあげると、社内での打ち合わせなどではポロシャツやカジュアルなパンツもOKです。

しかし、外部のクライアントとの商談ではジャケットやネクタイを着用するなど、シーンに応じて服装の変化が求められます。要約すると、ラフすぎる服装はビジネスマナーに疑問を持たれる恐れもあるため、TPOに合わせた選択が大切です。

3-4.体型に合ったサイズの服を着用する

体型にそぐわないサイズを選んでしまうと「だらしない印象」になるため、ビジネスには向いていません。そのため、体型にあったサイズ選びが重要です。

具体例として、大きすぎるサイズの服装で取引先と商談した場合、相手側は「違和感」や「だらしない」といった印象を抱く可能性が高いです。服装は自身をプロデュースする一部でもあるため、体型に合ったサイズ選びを意識しましょう。

4.クールビズでおすすめの服装の素材は?

クールビズの衣服を選ぶ際、素材の選択も重要なポイントです。素材の選択は快適さだけでなく、適切な雰囲気作りにも影響します。たとえば、ワイシャツの素材で最適なのは天然素材で速乾性が高いリネンです。

そして、スポーツのユニフォームなどにも使用されるクールマックスや冷感素材のアイスコットンもおすすめです。これらの素材は汗を素早く吸収・蒸発させることで、肌にベタつきを感じさせない特性があります。

また、色についても考慮するポイントです。視覚的に暑さを感じさせないよう、爽やかなイメージの青系の色が推奨されます。淡いブルーやミントグリーンなどの涼しげな色は、夏のビジネスシーンで清潔感と爽やかさを演出します。

次にパンツは、快適さと型崩れに強いウールやポリエステル素材がおすすめです。通気性がありながらも形状が安定しているため、型崩れしにくい点が主な理由です。さらには洗濯機で気軽に洗えるウォッシャブル素材や、ノーアイロンパンツも人気があります。

なお、リネンも通気性の良さから夏向きといわれますが、シワになりやすいのが難点です。そのため、手入れが苦手な方は避けたほうがよいでしょう。一方、パンツの色は軽やかな印象に見えるライトグレー・ホワイト・ベージュがおすすめです。これらの色は暑い夏でも重苦しくならず、さわやかなビジネススタイルを演出します。

5.クールビズ期間に用意しておくと便利なアイテム

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クールビズには用意しておくとビジネスシーンで重宝する便利なアイテムが多くあります。ここで詳しく紹介していきます。

5-1.ポロシャツ

軽くて通気性の高いポロシャツは、クールビズ期間を快適に過ごすためには必要なアイテムです。デザインはシンプルなほどビジネスシーンに適しており、洗練されたスタイルが維持できます。

派手なデザインや色彩豊かなポロシャツは、ビジネスシーンでは不適切に受け取られるかもしれません。それに対し、適度に落ち着いた色合いとシンプルなデザインは、どのようなシーンでも違和感なく着用できます。

ポロシャツは、ビジネスシーンだけでなく、カジュアルなシーンでも自然に溶け込めるため、多くのビジネスパーソンから重宝されています。

5-2.チノパン

チノパンは一見シンプルなアイテムですが、ラフすぎずカジュアルすぎないといった絶妙なバランス感があります。バランスの良さから数多くのシーンで活躍できるため、コーディネートの幅も広がります。

素材はコットン100%のものがおすすめです。コットン100%のチノパンは、その通気性の良さからクールビズの期間に最適です。ストレッチ性のある素材を選べば動きやすさも確保できるため、快適な着心地が実現するでしょう。

なお、スラックスに比べてカジュアルな印象のチノパンは、ビジネスシーンで不適切と捉えられる可能性もあります。しかし、適切なトップスやアクセサリーを組み合わせることで、十分にビジネスシーンでも対応可能です。

5-3.ボタンダウンシャツ

ボタンダウンシャツはそのシンプルさと機能性から、ビジネスシーンで広く活用されています。このタイプのシャツは、普遍的なデザインと機能性を兼ね備えており、業界問わずさまざまな環境で採用されています。

素材については通気性と吸湿性に優れ、肌触りが良いリネンやコットンがおすすめです。長時間の着用でも快適さを保ち、一日中フレッシュな感じが維持できます。カラー選びに関しては、パステル系の色を選ぶと爽やかでクールな印象が得られます。

これらの色はビジネス環境での正式な装いに適しており、同時にスタイリッシュな雰囲気を醸し出すことも可能です。このように、さまざまな組み合わせに柔軟に対応できる「ボタンダウンシャツ」はビジネスパーソンから支持されるアイテムといえるでしょう。

5-4.アンコンジャケット

アンコンジャケットは簡素な構造と身体に馴染む特性からクールビズスタイルに適しています。構造が簡素であるため身体の動きを妨げることなく、自然な姿勢が維持できるからです。

また、身体に馴染む特性は長時間の着用でもストレスを感じにくいといったメリットもあります。アンコンジャケットは軽量でありながら一定のフォーマリティを保てるのも魅力のひとつです。アンコンジャケットの特性を上手に活用すればクールビズスタイルをより効果的に、そして快適に楽しめるでしょう。

5-5.キレイめなTシャツ

キレイめなTシャツはカジュアルすぎず、また堅苦しくもない、ちょうど良いバランスから多くのビジネスシーンで活躍します。なぜなら、通気性と動きやすさを兼ね備えているためです。これにより、暑い季節でも快適に過ごせるだけでなく、さまざまな動作が可能となります。

しかし、派手な色や模様が入っているTシャツ等、カジュアルすぎると「キレイめなTシャツ」だとしてもビジネスシーンには不適切です。そのため、キレイであることと同時に、適度にフォーマルな印象のデザインが求められます。結論として、キレイめなTシャツはビジネスシーンでカジュアルながらもプロフェッショナルな印象になるアイテムといえます。

5-6.レザースニーカー

レザースニーカーはクールビズにおいて重要なアイテムです。主な理由は快適性と機敏性を兼ね備えている点にあります。長時間の業務においても、「疲れにくい」といったメリットがあります。

具体的におすすめのレザースニーカーとしては、ブランドのロゴなしやノーデザインのものです。派手なデザインや大きなブランドロゴが入っているレザースニーカーは場の雰囲気にふさわしくない恐れがあるため、避けた方が良いでしょう。

また、色については単色で白か黒を推奨します。ビジネスシーンでは一貫性と統一感が求められます。白や黒は多くのスタイルに適用できるためとても便利です。したがって、レザースニーカーはその適性・機敏性・シンプルさから、クールビズスタイルにおける理想的なアイテムといえるでしょう。

6.クールビズにおすすめのコーディネートを紹介

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ここではクールビズに「オシャレ感」を演出する、おすすめのコーディネートを紹介します。ビジネスシーンで活用できる着こなし術のため、ぜひ参考にしてください。

6-1.セットアップ×Tシャツ

セットアップとTシャツの組み合わせは、クールビズスタイルに適したコーディネートです。セットアップはフォーマルな雰囲気を持ち、ビジネスシーンにおいては一定の信頼性や真剣さが表現できるからです。

また、Tシャツはカジュアルな要素を加え、親しみやすさやリラックス感を生み出します。これら2つの組み合わせによって、双方の魅力を活かしたバランスの良いスタイルが作り出せるでしょう。

たとえば、シックなネイビーや落ち着いたチャコールグレーのセットアップに、清潔感のある白やグレーのTシャツを合わせます。この組み合わせにより、フォーマルとカジュアルさ同居する洗練されたスタイルが完成します。

6-2.ポロシャツ×チノパン

ポロシャツとチノパンの組み合わせは、軽やかさとプロフェッショナルな印象を与えるクールビズスタイルです。ポロシャツはカジュアルながらもきちんとした印象を持つアイテムで、ビジネスシーンでは一定の信頼性を表現します。

チノパンは軽やかさと肩の力を抜いた雰囲気を出すアイテムで、親しみやすさやリラックス感を生み出します。着こなしの具体例として、爽やかな白やリフレッシングなライトブルーのポロシャツに、落ち着いたベージュやカーキのチノパンを合わせます。

こちらは、プロフェッショナルさとカジュアルさが共存した人気の組み合わせです。

6-3.ボタンダウンシャツ×スラックス

ボタンダウンシャツとスラックスの組み合わせはクールビズスタイルの中でもビジネスライクな装いを実現します。ビジネスの場のボタンダウンシャツは爽やかな印象になる効果があります。

一方、スラックスはフォーマルな雰囲気を醸し出し、誠実さと真剣さが表現できる点は大きな魅力です。一例として、穏やかなパステルカラーのボタンダウンシャツにシックなダークグレーのスラックスを合わせると、清潔感と誠実さが表現できるでしょう。

6-4.チェックシャツ×チノパン

チェックシャツはカジュアルながらも個性を表現する要素を持ち、ビジネスシーンで人気のアイテムです。落ち着いた色味のチェックシャツに、洗練されたカーキや都会的なダークグレーのチノパンを合わせると、個性と洗練さが印象的なスタイルになります。

ただし、チェックのシャツは派手なデザインは避け、細かいチェックや落ち着いた色味のものを選ぶようにしましょう。

7.クールビズの服装に関するQ&A

はじめてクールビズを経験する方は疑問に感じる点も多いのではないでしょうか。ここではクールビズでよくあるQ &Aを紹介します。

7-1.ジャケットは必要?

クールビズ期間中、基本的にジャケットは必須ではありません。クールビズはビジネスシーンで働く方々が快適に仕事をすることも目的のひとつです。しかし、状況によってはジャケットが必要になる場面もあります。重要なクライアントとの会議やフォーマルな場に出席する場合などはジャケットの着用が好ましいでしょう。

また、ジャケットと同様にネクタイも必要なケースがあるかもしれません。そのため、ジャケットと一緒にネクタイも準備しておくと安心です。

7-2.長袖?半袖?どちらが良い?

長袖と半袖の選択ですが、基本的にどちらでも問題ありません。たとえば、朝晩は冷え込む日や冷房が効きすぎているオフィスなどでは、長袖の方が快適に過ごせるかもしれません。

また、長袖は肌を直接日光から守るため、日焼けを気にする人にもおすすめです。一方、真夏の炎天下で移動が多い日や、冷房が効きにくいオフィスでは半袖が最適でしょう。

結論として、どちらを選んでも清潔感と場の雰囲気に合わせた選択が重要です。ビジネスシーンではプロフェッショナルな印象が重要になるため、選択は慎重に行いましょう。

まとめ

クールビズは2005年に開始し、今では浸透している取り組みとなりました。暑さをしのぐだけではなく、近年ではオシャレ感を追求したデザイン性のある「着こなし」に注目が集まっています。

今回はクールビズ中の服装に焦点を絞って解説しました。これからクールビズの服装を検討する方は今回の記事をぜひ参考にして、ご自身に適したクールビズスタイルを確立してください。

この記事を書いた人
上野さん.jpg

2004年に株式会社コナカに入社。2007年にコナカの店長として6年間勤務。その後茨城地区の複数店舗を統括するエリアマネージャーとして4年間勤務。2016年新規事業である「DIFFERENCE」のバイヤーとして商品本部に配属され、7年目を迎える。現在はレディースとメンズカジュアル関係のバイヤー業務を担当。実際のウェァリング調査を密に行い、市場の流れやお客様のニーズを察知することで次シーズンへの企画や生産に活かしています。また異業種や幅広い年齢層の方々とも積極的に交流する事を大事にしております。バイヤーの仕事は物を作ることも大切ですが、まずは販売スタッフに想いを届ける事が重要と考えています。